こちらの記事に書かれている内容は・・・
◆ホンダスポーツカー戦略
S1000は別規格で動き出し、
S2000後継車は一旦凍結。
NSXにも次なる計画が
浮上しているというホンダ
の現在。
先日、
今後の事業展開についての
報告会があった。
その会見でのポイントは
3つあり、
ひとつは
グローバル6極体制での
4輪事業の方向性について。
2つ目が
”ホンダらしい新しい価値の想像”
3つ目が
モータースポーツについて。
このうち、
モータースポーツに関しては
真新しい発表はなく、
実質的には4輪事業の
方向性がメインになると
いうことのようだ。
2年以内にシビックを
日本に導入するなど、
新たな動きもみられる中、
中でも、
”モデル開発と組織の変更”
が注目されている。
当然、
今後のホンダから生まれる
車が大きく左右される問題
でもあることだ。
ここしばらく続いてきた
マーケティング中心の
車づくりから、
開発の現場が車づくりに注力
する新しい体制とすることで
ホンダらしさを取り戻す、
というのだ。
この会見の前日には
役員人事で組織体制の
一新は発表されている。
4輪事業本部長には
松本専務執行役員を
ホンダ技術研究所の
社長兼務として、
併せてホンダ本社のF1
担当役員としてF1を統括
することになった。
いわば責任の一本化で、
研究所で開発したF1は、
本社たるホンダでも
一貫して責任の所在を明確
にするということだ。
今回の組織改革について、
あるホンダ関係者が
S660について説明をしたそうだ。
S660はひとりの現場の若い
エンジニアが理想とす車を、
会社が一体となって造り上げ
販売も協力していった。
こうした成功体験を今後の
クルマ作りに生かしていこう
というシステムに変更する
ということらしいのだ。
しかし、
新しい体制ではすでに現在
進んでいる研究、開発が
大きく変わることもありえる。
S1000もS660からの発展ではなく、
まったく新しい方法に切り替わる
可能性もあるのだ。
◆S660の派生ではい
S660の開発責任者の
椋本氏も
S660の発展形として、
よりハードな走りをイメージ
させるスポーツモデルに対して
は懐疑的だったそうだ。
他のホンダ関係者も
S660のスタートは、
”ゆるスポーツ”
椋本氏が目指した方向とは
そうした方向であったが、
実際のS660の運動性能を
高めたのは、
ホンダブランドとして
そうあるべきと、
ほかのエンジニアが作り上げた
と指摘している。
つまり、
S660の発展形は
本田技術研究所の研究課題
としてはあるものの、
製品化までとなると
今回の組織変更で
遠ざかったのかもしれない
と言われている。
理由は責任の所在という点で、
ベースモデルを手掛けた
S660の椋本氏が最終的に、
1000㏄くらいまでの
パフォーマンスをもった
スポーツカーを想定していれば
別なのだが、
それがなければ難しい
というわけなのだ。
だが、
別案で他のグループが研究開発
してはいるものがあり、
飛び出してくる可能性がある。
トヨタが入門用FRとして
開発中のS-FRのような
リッタークラスのスポーツモデル
も充分に考えられるだろう。
これまで、
トヨタとホンダは同ジャンルの
クルマで多数競い合ってきた。
デビューするタイミングも近く、
ハイブリッドも初代インサイト、
プリウスがそうであったように、
最近のFCVもそうだろう。
同じように、
この1000㏄クラスの入門用FR
が同時期にあっても不思議ではない。
ホンダ技術研究所で、
椋本氏と同じように
コンパクトなFRを提案、
今後量産車まで発展することは
あるだろう。
特に八郷社長がイメージする、
マーケットインだけではなく、
こうした造り手の情熱がクルマを
左右するスポーツモデルの場合、
プロダクトアクト的な
手法の方が成功する場合が多いことは、
S660の例を出すこともなく明らか
なのだ。
ホンダには現在開発中の
ターボがある。
基本はベーシックモデル用の
ダウンサイジングターボながら、
コンパクトなFR用のユニットなら、
そのままでも充分にパワフルである。
マツダのロードスターが
”パワーを使い切る楽しさ”
をアピールし、
初代のイメージを復活させたが、
ホンダはまさに
S500から始まるS800などの
痛快なスポーツモデルに
打って出ることもありえるだろう。
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◆S2000後継よりもSUV優先?
シビックタイプRの
2Lターボをミドシップに積む
とされるミニNSXだろうとされる
S2000後継車にも変化がありそうだ。
ヨーロッパのホンダ関係者から
流出したと言われる
モノクロの空力リサーチ用
イラストについて新しい
証言があったらしい。
ある関係者はS2000後継車
というか、
ミニNSXというか、
そのモデルはまだ計画に
フィックスしていないという。
ヨーロッパの
マーケティング部門は
F1をやるなら、
ポルシェボクスタークラスの
スポーツモデルがホンダの
ブランディング上あったほうがよい、
といっているという。
しかし、
まずは欧州で
主流になりつつある
ヴェゼルより上級のCR-V
よりもスポーティなSUVに
期待しているという。
そのためにS2000後継車
よりもSUVの開発を先行させる
可能性が高くなった、
というのだ。
確かに、BMW、メルセデスベンツ
アウディがスポーティなSUVに
力を入れて成功しているし、
ポルシェも比較的大きいが
マカンで台数を稼いでいる。
その点でホンダとして
早急に手を打ちたいのは
SUVクラスではないかというのだ。
◆NSXに次なるプラン浮上
ホンダにとってもう一台の
スポーツカーの未来にも
課題がでている。
次のCR-Zについてだ。
八郷社長は会見の中で、
電動化に関して、
PHVをはじめ、
2輪や汎用品まで含め、
広く推進していくということを
表明しており、
CR-Zはハイブリッドスポーツ
としていち早く電動化と
スポーツを組み合わせが、
セールス的に
うまくいっているわけではない。
次につなげるには
まったく新しい分野のスポーツカー
とするか、
現行モデルとは違った新たな
魅力を備えるしか道が
ないのではないか!?
というのが関係者の話だという。
ただ、研究は続けていて
研究所もホンダ本社に
提案しているのだというのだ。
そこで期待されているのが、
4モーターのEVスポ―ツ。
すでにテスト車両もあり、
先進技術の試乗会で
多くのジャーナリストを
乗せているというが、
時間はかかるものの、
CR-Zの次期モデルとして
最も近い位置にいるのが
このEVスポーツではないか
と言われている。
そして早くもNSXプロジェクト
の調査が次の段階へ
進んでいるという。
ニューNSXは、
まだ日本に導入される前
の段階であるが、
研究所の首脳のなかには、
今回のモデルには納得しておらず、
電動化を否定するわけではない
ものの、
V6ターボと
モーターの組み合わせには
賛同していないという声もある。
世界的な趨勢としては
電動化したPHVのスーパースポーツを
ポルシェもフェラーリも
送りだしているが、
相変わらずV10やV12といった
エンジンオリエンテッドの
スーパースポーツは熱狂的に
受け入れられている。
そうしたジャンルで
ホンダらしい世界トップレベル
の燃費と性能を両立した
スポーツカーにチャレンジ
すべきという考え方もある。
『素性』のいい軽量で、
しかも燃費のいいスポーツカー
を提案すべきで、
電気は安全性を高めるための
制御に使い、
走りはあくまでも
エンジンが主体。
場合によっては
EVモード専用のバッテリー
でPHVということもあるだろうが、
そうした”ホンダらしさ”
を八郷社長と本田技術研究所
の松本社長はスタートさせる
のであろうか?