スバル最新情報2017 AWDシステムのすべてがわかる!シンメトルカルAWD

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スバルと言えばAWD。でも、その種類や特徴は多岐にわたっている。今回はスバルのAWDシステムの解説をすると同時に、雪上での性能評価、さらにスバルの最新情報を網羅してお伝えしよう!

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◆スバルのAWDシステムはどんな種類があるのか?

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最初はオーダーメイドだったスバルのAWD車。スバルはグローバル販売の98%がAWDという、世界的にも稀有な自動車メーカーである。そんなスバルにとっては実に”当たり前”のものであるAWDが、いかに優れているかを改めて確認してみたい。今ではすっかりAWDのイメージが定着したスバルが初めてAWDを手掛けたのは1971年のこと。

AWDといえばミリタリー系のクルマしか存在しなかった当時、冬の雪深い山間部を巡回する際に快適に走れる乗用車ベースの4WD車を求める東北電力の要望に応えるべく、『ff-1』をベースとする試作車を8台製作したのが始まりである。

さらに翌年には、ベース車がff-1からモデルチェンジした『レオーネ』となり、国内初のミリタリーでないAWDの市販車として世に送り出された。これにはスバルならではの水平対向エンジンが、そのまま後方にプロペラシャフトをつなげてAWD化しやすいという本来的な機構面での優位性もあってのこと。さらには、前後左右の重量バランスに優れ、4輪にバランス良く荷重がかかるおかげで、条件の悪い路面でも安定して走ることができるという強みもある。

以降、水平対向エンジンを核としたパワートレインが左右対称かつ一直線にレイアウトする『シンメトリカルAWD』は、スバルのコアテクノロジーとして受け継がれるようになるのである。

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◆4種類のシステムを車種に合わせてチョイス

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スバルのモノづくりのテーマは『安心と愉しさ』にあり、その原点は『人を中心としたクルマ作り』にある。人間工学だけでなく生活を豊かにするよき道具であるために、あるいは安心して運転できるからこそ運転が楽しくなる。そのためにはシンメトリカルAWDは欠かせない。そして今、スバルではシンメトリカルAWDとアイサイトの組み合わせにより世界一安全なクルマ作りを目指しているのだ。AWDシステムについても、現在にいたるまで進化と発展を重ねてきた。

前輪駆動をベースとするフルタイムAWDの『ACT-4』は、パフォーマンス系を除くスバルの大半の車種のCVT車に搭載されており、今のスバルにおいて主力システムとなっている。これに対してWRX S4やレヴォーグの2L車など走りを訴求する構成もうモデルのCVT車には、遊星ギアを用いて後輪寄りのトルク配分を実現した『VTD-AWD』が与えられる。

一方、かつてはMTの宝庫だったスバルも、今ではだいぶ設定が限られるようになったようだが、MTの量販モデルにはビスカスカップリングのセンターデフを用いたタイプを用意している。スバルのAWDシステムの中で唯一、電子制御を使っていないのも特徴で、長年用いられてきた信頼性の高いシステムである。

それとは反対に、WRX STIのみに搭載される独自のDCCDは電子制御をバリバリに駆使し、任意に前後の拘束力を調整してハンドリングを変えることができるという画期的なシステムなのである。

・電子制御LSD付不等トルク配分せセンターデフAWD

複合プラネタリーギアによるセンターデフで前後の駆動力を基本的に45:55とリアに多く配分することで走行安定性を維持しつつ回頭性を高め、スポーティな走りを可能としたシステム。走行状況により電子制御で自動的に駆動力配分を45:55~55:45で連続可変制御する。ややコスト高となることもあり、走りを積極的に楽しむための高性能車に搭載されてきた。現在はWRX S4とレヴォーグの2.0L車のみに搭載される。

・アクティブトルクスプリットAWD

スバルの大半の車種に採用されている主力システム。センターデフはなく、滑りやすい路面での発進性や走破性を確保するため、車輪速センターや舵角センサーなどの信号にもとづき、MP-Tと呼ぶ湿式多板クラッチの係合の強さを電子制御によりコントロールすることで、前60:後40を基本に50:50~100:0で駆動力配分を最適化する。

・ビスカスLSD付センターデフAWD

WRX STI系の除くスバルのMT車に永らく搭載されてきた。スバルの中で唯一、電子制御を用いていない、もっともコンベンショナルなシステム。前50:後50を基本に走行状況により駆動力配分を適正化する。かつてはいくつかの車種に搭載されていたが、MTの設定が減ったため、最近は日本向けではフォレスターのみとなっている。

・モード切替電子制御LSD付不等トルク配分センターデフAWD

WRX STI専用に開発された電子制御AWDシステム。好みやシーンに応じて電子制御LSDの効き具合を任意で設定することができるのが特徴である。現行型ではトルセンLSDに電子制御LSDを組み合わせているが、新型ではトルセンLSDが廃止されて電子制御LSDのみとなる。この理由は以前は高い応答性を確保するためトルセンLSDがが必要であったが、技術の進化により電子制御LSDのみでも充分な応答性を得られるようになったから。前後駆動力配分についても、これまで前よりや後寄りなど色々変遷を繰り返してきたが、近年は前41:後59を採用している。

・スバルのFR車の雪上での実力とは?

率直な印象をお話すると、VDC OFFだと発信では空転するし、ちょっと強めに踏むとクルッと回りそうになるし、スタックしたら脱出できないし、やはり雪や氷の上ではAWDがいかに走りやすいかを思い知るだろう。でも面白さというてんでは、やはりFRは面白い。BRZといえば前期型は一見スバルらしく安定しているように感じられながらも限界を超えると一気に回る印象だった。ところが後期型はコントロール幅が格段に広がって、ドリフト状態を維持しやすい懐の深い走りになっているようにも思える。

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◆各車種が目指す方向性に合わせてシステムを選択

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4つのAWDシステムは、車種に合わせてそれぞれふさわしいものが与えられており、組み合わせは限られるわけだが、エンジンだけではなくAWDシステムにも目を向けてみよう。

例えばレヴォーグ。1.6L車んは万人向けのACT-4となるのに対し、2.0L車にはスポーティな走りを意識したVTD-AWDが与えられている。両車では価格差もそれなりにあるが、ハンドリングの違いも小さくない。それは雪道でも顕著である。動力性能だけでなく、そうした違いもあることをぜひ知っておくべきだろう。

あるいはフォレスタ―。スバルでは珍しくMT車が残っていた車種であり、それにはビスカスLSDのセンターデフが組み合わされていたわけであるが、CVT車のターボと自然吸気には、同じくACT-4が与えられていても乗り味がだいぶ違うことをぜひ知っておこう。

さらには、同じACT-4を搭載し、同じく220mmの最低地上高を確保したフォレスターとアウトバックでも、走りに少なからず違いが見受けられる。むろんそれは車両重量やホイールベースの違いもあるが、さらにはこうした滑りやすい路面では頻繁に作動するVDCのサプライヤーの違いによる、制御や作動音の違いも影響する。

一方、DCCDやビスカスLSD式といったMTに組み合わされるシステムについては知っている方はたくさんいることだろう。そんなわけで、全体としてはスバルの主力システムであるACT-4さえあれば条件の悪い道でも安心して走ることができるし、走りを積極的に楽しみたいのであれば、やはりリアよりに多く駆動力が配分されるVTD-AWDが適している。

そして、それぞれのAWDシステムに役目が与えられていて、モデルに合わせて最適化を図り搭載されているのだ。

・ビスカスLSD式センターデフ方式AWD

まさしくセオリー通り。動きが素直でダイレクト感もあり、自然なフィーリングでドライブできる。滑りやすい路面では、リヤに駆動力が伝わる様子が直結4駆に近い感覚で伝わってくる。それでいてアクセルオフでターンインした時にひっかかる感じもないし、アクセルを踏み込んだ時に送れて反応する感じもない。いたって乗りやすい。電子制御の緻密さもさすがのものがあるが、”素”のスバルの実力も侮れないことを実感できる。

・アクティブトルクスプリット式AWD

滑りやすい路面でも容易に発進できる。コーナーでわざとアクセルを大きく開けると徐々に外側へと膨らんでいく。いい意味で、いかにもFFベースのAWDという感じで、アンダーステアであるおかげで挙動の乱れる心配もあまりなく、いたって安心して走れる。その中でもフォレスターのターボのみ、ちょっと異質である。トルクベクタリング機構の味付けが他モデルよりも走り重視となっているのだが、おかげでドリフト円旋回もできるし、ターンインでノーズが入りやすくなっている。フォれうターの場合、ターボと自然吸気ではハンドリングも別物である。

・モード切替電子制御LSD付不等トルク配分センターデフAWD

DCCDについては、これから導入される日本仕様の試作車と現行モデルの新旧を乗り比べてみると、『AUTO』でトラクションモードという同じ条件で、走破性よりもハンドリングの違いに着目してドライブしたところ、確かにアクセルオフでターンインした時に違いが感じられる。従来の機構では、アクセルオフでもどうしても引きずりがあり、初期にプッシュアンダーステアが出ていたのに対し、新しいほうは最初からスッと曲がる感じがする。また同じように曲がるときの舵角も小さく済んでいる。アクセルオンでの挙動は新旧で変わらないようだが、舵角が小さいせいか、つながりがスムーズに感じられた。DCCDもさらに進化するようで楽しみだ。

・電子制御LSD付不等トルク配分センターデフAWD

;おとなしく走るとACT-4との差はあまりないのだが、ちょっとメリハリをつけた走り方をすると、ターンインでの回頭性が高く、アクセルオンでのアンダーステアも小さいことがわかる。あくまで安定を保ったまま、軽くテースライドさせながらも前へ前へと進んでいく感じ。AWDのよさと後輪駆動の良さを合わせ持っている。レヴォーグの場合、2L車がこちらで、1.6L車にはACT-4が搭載されるのだが、ハンドリングが少なからず異なるわけで、そこに魅力を感じる人には価格はこちらの方が高くても差額を払う価値は大いにあると思う。

◆スバルのAWDにまつわるエトセトラ

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東北電力の要望を受けて、富士重工業ではなく、いち販売店である宮城スバルが手掛けたもので、スバル1000バンをベースにff-1の1100㏄エンジンを搭載し、当時提携関係にあった日産の510ブルーバードのリアデフを組み合わせるという手法でAWD化している。8台が製作された試作車のうち5台が東北電力に、残りが長野県の白馬村役場と飯山農協、防衛庁に納車された。ちなみに、2011年までは2台が残っていたが東日本大震災により1台が被災して喪失。現存するのは1台のみという。当時すでにレオーネのモデルチェンジが決定していたため、量産版はそちらに引き継がれた。

・スバル車のAWD比率はどれくらいなのか?

2016年の世界販売台数がついに初めて100万台を超えたスバル。その1年前のデータであるが、2015年の暦年で、スバルが生産した車両では世界販売では98%というAWD比率。確かに日本でも2WDはBRZとインプレッサの一部くらい。ただし、新型インプレッサは2WDもアイサイトが選べるなど魅力が増したので、今後は販売台数の総数は増えてもAWD比率が下がる可能性がある。

・WRX STIの2018年モデルの注目点は?

年初に開催されたデトロイトショー披露された、北米仕様の2018年型『WRX』および『WRX STI』は、まず内外装が新しくなっていた。新造形のLEDヘッドライトやグリル、開口部を広げたバンパーグリルなどを採用したフロントマスクは、よりアグレッシブさが増した印象である。アルミホイールも新しい。インテリアでは、スバル初のレカロ製電動パワーシートや赤いシートベルトも見られた。走りに関しても、足回りのチューニングやパワーステアリングの制御が変わり、WRX STIでは6ピストンキャリパーにドリルドローターを組み合わせた新型ブレンボ製ブレーキなどが与えられる。さらに、これまであったトルセンLSDを廃し、電子制御クラッチのみとした新しいマルチモードDCCDにも注目である。

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