ルマン優勝を飾った、GAZOO RACING。トヨタの悲願であったルマン優勝を機にトヨタGRはかつてない勢いと活気にあふれている。GRチューンドーカーの開発が続々をおすすめられている!
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◆マークX GRMNが2018年夏にも

トヨタがGR戦略を明確にアピールしたのが2017年の9月19日。
それまでG’s GRMNなどのモデルごとに散発的にハイパフォーマンスチューンド仕様として存在していたモデルを体系づけて、トヨタ自動車本体が一元管理をする中、戦略的にスポーツモデルを開発、投入していく。これがGRブランドの基本となる。
その象徴的な存在として先に発表されたのが、1.8Lスーパーチャージャーエンジンを搭載する「ヴィッツGRMN」であり、本格的なシャシーチューニングを施した「86GR」、「ヴィッツGR」などになる。
また、同時に、より手軽にスポーツチューンドモデルの走りを楽しめる、「GRスポーツ」をマークX、ハリアー、ノア/ヴォクシー、プリウスPHV、ヴィッツなどに展開し、これらの市販を9月19日、一気に発表したのは記憶に新しい。
GRブランドは、豊田章男社長が常に口にしている、「もっといい車作り」を実現するための最前線として、運転する愉しさを体現できる車の開発をし、世に送り出していくことが使命だ。
次々とGRブランドのニューモデルを送り込んでいく計画が進められている。

発表会の場でGRカンパニーの友山氏は、「オリジナルのGRスポーツカーを作りたい」と宣言しており、これは2018年1月に開催された東京オートサロンにて発表された「GRスーパースポーツ」で結実される。
現時点ではまだコンセプトカーの段階で、明言されているようだが、着実に開発は進められているようで、2019年の東京モーターショーでは市販モデルが発表される計画なのだ。
ル・マンで悲願の優勝を遂げたTS050ハイブリッドをロードゴーイングに仕立てたピュアスポーツカーで、2.4L、V6ツインターボ+THS-Rハイブリッドによりシステム出力が1000psを発揮する。
このGRスーパースポーツをGR戦略の象徴として、トヨタはGRモデルを幅広く、積極的に展開をしていくことになるのだ。
◆7月に登場!?マークX GRMNⅡ

現状、マークXのGRモデルは最もチューニングレベルの低い「GRスポーツ」のみが用意されている。
これは2017年9月19日に一気に発表された新生GRブランドの一台である。
パワートレインには手を入れず、足回りとエクステリアを中心にスポーティな走りを楽しめるチューニングとなっているのだ。
一方の2015年3月にはマークX GRMNが100台限定で発売されたが、こちらは「GRMN」の名を冠していることから解るとおり、パワートレインにも手を入れた本格派モデル。
3.5L、V6エンジン本体には大きく手を入れることはしていないが、最高出力はノーマルの318psから323psへ5psパワーアップしている。
そしてマークXには設定されていない6速MTを用意しているのが大きなポイントといえる。
さらに専用サスペンションチューニングに加え、前後異サイズのタイヤ(F:235/40R19、R:255/35R19)、トルセンLSD、対抗4ポッドキャリパーフロントブレーキなどで足回りを強化。
シャシー補強の追加やボディ補強などに加え、CFRPルーフを採用して軽量化、低重心化を図るなど、かなり本格的な手の込んだチューニング内容となっている。
今回、2018年夏に投入されるのは「マークXGRMNⅡ」ということで、2015年のGRMNチューニング内容を踏襲しながらも、最新のサスペンション&ボディ剛性チューニングを加えたものとなる。
エクステリアは現在のGRシリーズ共通のフロントマスクを踏襲しながらもGRスポーツではクロームメッキに変更するなど、より精悍なアピアランスとしている。

エンジンは323ps/38.7kgmの3.5L、V6を搭載し、6速MTが組みあわされることになる。
タイヤサイズやBBS鍛造ホイール、トルセンLSD、大径4ポッドキャリパーフロントブレーキなどは、2015年のGRMNモデルを踏襲してくる。
FRのマークXにはGRMNモデルが復活することで、より車好きの期待に応えることになることは間違い内。
全開は100台限定販売で即完売だったことを踏まえ、GRMNⅡは400台限定となる計画ということだ。
価格は2015年モデルのGRMNの540万円に対して、525万円程度へと価格はダウンして買いやすくするという。
◆マークXに続くGRモデルたち

トヨタ自動車としては積極的にGRモデルを投入していく計画は揺るぎない。しかも、悲願だったル・マン総合優勝を果たしたことで社内、特にGRカンパニーのモチベーションはかなり高まっている。
そもそも「GAZOO RACINGカンパニ」はモータースポーツ活動と並行して、モータースポーツからフィードバックされた技術、知見などを生かしたスポーツカー開発を推進するために設立された社内カンパニーだ。
ニュル24時間レースへの参戦もその一環であるし、ヤリスでのWRC参戦も市販スポーツカー開発の大きな下支えとなっている。
ヤリスに名称が統一される次期型ヴィッツのデビューは2019年の末頃を予定していたが、この新型ヤリスに搭載される140ps/24.0kgmを発揮する直列3気筒1.6Lターボエンジンを搭載する「GR」が用意されるという計画だ。
いうまでもなくWRCで活躍するヤリスとイメージをダブらせる、正真正銘のホットハッチとして開発が進められている。

現行型ヴィッツのGRとは異なり、プラットフォームを一新して新開発されるオールニューモデルにおいて、最初からGRモデルを念頭に置いたシャシーで開発をすることになるので、より完成度の高いスポーツモデルに仕上がる。
GRモデルの投入はヤリス登場から1年後の2020年秋頃になりそうだ。
当然ながら市販が待たれる新型スープラにもGRモデルが設定されることになる。
幾度となく話題になっているように、新型スープラはBMWとの共同プロジェクトで誕生する。基本プラットフォーム、パワートレインは、BMW Z4/Z5と共通に開発され、内外装、シャシーチューニングなどで両車独自のテイストで仕上げられるのが特徴だ。
このプロジェクトの中で誕生するスープラなので、トヨタが独自に手をいれられる部分はかなり制限される。
パワートレインはBMWの直6、3Lターボ+8速ATが搭載され、これをトヨタが独自に手を入れることができないため、「スープラGR」ではパワートレインはノーマルのまま、となる。
シャシーチューニングを徹底的に詰めていき、ハンドリングマシンとして、ファン・トゥ・Driveを追求していくことになるだろう。
新型スープラは2019年早々にもデビューが予定されている。GRモデルは1年程度遅れて2020年初頭に投入されるようになるだろう。
・GRモデルのポイント

ル・マンなどWECに参戦するTS050ハイブリッドを基本にロードゴーイング化されるGRスーパースポーツの開発は着実に進行しており、2019年の東京モーターショーで市販型が正式に発表される計画だ。2.4L、V6ツインターボにTHS-Rハイブリッドシステムを組み合わせ、システム出力は1000psに達するという。
ヴィッツは2019年末にフルモデルチェンジの予定だ。これを機にグローバル展開される「ヤリス」に名称が統一されることとなる。
TNGAコンセプトに基づく新開発プラットフォームを基本とした完全新設計のモデルチェンジとなり、GRMNは2020年末をメドに投入される計画。
新開発される著くれて素3気筒1.6Lターボエンジンを搭載するホットハッチとなる。
WRCに参戦するヤリスのイメージとダブらせたスポーティなモデルとして期待したい。
・マークX GRMNⅡ

2018年夏には登場が予定されているマークX。GRMNⅡはエンジンは基本的にノーマルながら、最高出力は318psから5psアップの323psとなる。
最大トルクは38.7kgmで変更はなし。
トランスミッションはノーマルマークXには設定されていない3ペダルの6速MTとなり、ダイレクトでスポーティなドライビングを楽しめる。
エクステリアデザインはGRシリーズ共通のテイストでまとめ上げられている。
軽量化、低重心化を実現するCFRPルーフを採用。価格は525万円程度となる見込みだ。
小径ステアリングホイールを採用し、インテリアはブラック基調のデザインで、シートは専用デザインのスポーティなパケットタイプを採用。
ノーマルマークXには設定のない3ペダル6速MTが採用されるのがGRMNの特徴となる。
パーキングブレーキはレバー式に変更される。
BBSホイールやフロントの対抗4ポッドキャリパーブレーキなどは2015年型GRMNを踏襲する。フロントマスクなどの造形は現在のGRシリーズと共通のテイストとなる。