カローラツーリング、セダンは従来型とどんな違いがあるのか?3ナンバー化

日本の国民車のカローラが12代目でついに初の3ナンバー車になりました。2019年9月17日にトヨタは新型カローラのセダンとワゴンのカローラツーリングを発表、発売したのです。トピックはついに5ナンバーを超えたことと、海外向けカローラと差別化された国内専用ボディを開発したことにあります。

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◆新型カローラの変わった点は?

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2018年の6月、新型カローラシリーズの先方として誕生したカローラスポーツでは、TNGAプラットフォームによる走りの質感の高さとデザインの改革が行われました。このたびの新型カローラ、カローラツーリングもTNGAの恩恵を受けた低重心でスポーティなスタイリングとなっています。月販売台数の計画は、カローラが1700台、カローラツーリングが5400台、カローラスポーツが2300台で、カローラツーリングが販売の中心となります。

パワートレインはカローラとカローラツーリングともに、1.8リッターガソリン+CVT、1.2リッターターボ+6速MT、そして1.8ハイブリッドの3パターンとなります。ただし4WD設定があるのはハイブリッドのみです。なおカローラスポーツは、1.2リッターターボに6速マニュアルとCVTの2種類を設定しており、どちらのパワートレインでも2WD、4WDが選択できます。燃費はハイブリッドが29.0km/L、1.8リッターガソリン車が14.6km/L、1.2リッター車が15.8km/Lとなっています。

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◆5ナンバーでも国内専用ボディを採用

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車幅に関しては、従来比+50mmほど拡幅して1745mmとなりました。歴代カローラが頑なに死守してきた車幅1695mmを突破した背景には、「グローバルモデルとして新プラットフォーム採用による安心感やデザイン性を向上させたために必要だった」といいます。この1745mmという全幅は、何度も月間販売台数のナンバー1となった3代目プリウスの車幅1745mmと同じです。この車幅までなら受け入れられるという判断をしたのかもしれませんね。

デザイナーの立場としてならば、のびのびとデザインできる海外向けボディの方がよりスタイリッシュにまとめられたのでしょうけども、拡幅を踏みとどまらせるほど車幅に対する国内市場の要望な大きかったのです。また全長にしても取り回し性を考慮することで、ホイールベースを40mm増やしながらも、従来型と同様の最小回転半径の5.0mを維持することができています。

これはフロントタイヤの切れ角やサスペンションレイアウトをミリ単位で調整した結果であり、大変評価できるポイントです。これら従来型からのボディサイズアップは、カローラ、カローラツーリングのスタイリングを、低くグッと引き締まったボディへと、昇華させることに成功をしています。従来型からはアップしたものの、カローラ/カローラツーリングともに、日本の顧客、道路環境での使い勝手の良さを実現するため、カローラの海外モデルよりも、全長・全幅・ホイールベースを縮小化させています。日本市場を日産のように軽視せず、開発の手間を惜しまなかったことが大きな評価ポイントとなりますね。

しかしながら、海外仕様に対するボディサイズの縮小は、後席に影響がでているように感じます。身長170cmの方でも運転席でのドライビングポジションを調整しても、後席の足元はやや狭くなったりします。フロントシートが立派になり、ボリュームがある体積になった反動もあってか、特にカローラツーリングは、「ショートワゴン」といった方が近い印象を受けます。

後席からだと、前席シートの下につま先が入るようになっていますが、膝前のスペースは明らかに足りず、せめてフロントシート背面を削るなどの対策で、膝前スペースをあと半コブシ程度は増やすことができたのではないだろうかと思うのです。もちろんフロントシートは海外仕様のカローラと設計を共用化しているのでしょうから、致し方ないと言うのかもしれませんが、後席への乗り込み時の間口の大きさな、足元のサイドシル段差など後席設計を後回しにしてしまった感があるのは否めない。

日本人がカローラに期待することは、日本車のスタンダードであり続けること、なのかもしれません、今でこそプリウスやアクアといったハイブリッド車が、トヨタの売り上げの上位に来ているために、カローラの存在感は薄くなっているのかもしれませんが、スタンダードカーであるからこそ技術開発も大きく進歩するのでしょう。プリウスの販売台数を逆転してトップになることはないかもしれませんが、このカローラで培ったTNGAをはじめとする技術は、日本国内のメーカーにとっては、脅威となることでしょう。

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