2019年10月に入ってからコンパクトカーが軒並み販売台数を減少させる自体に。異常事態とも取れる現在の販売台数ランキングに食い込んできたのが1リッターエンジンを搭載するルーミーとタンク。そして人気のSUV市場に満を持して登場したのが新型のロッキーとライズなのだ。今後ヤリスの登場でトヨタのラインナップに大きな変化があることは必至のようだが!?
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◆アクア苦戦続きもさらにヤリスが登場

2020年2月にはヤリスハイブリッドが発売され、2020年5月以降はアクアと同じ全店取り扱いとなるために、アクアにとって身内のライバル車が増えることになります。アクアの2019年10月の売れ行きがマイナス50%を超えたのは、台風による影響もあるでしょうが、下降傾向を強めている事は間違いないでしょう。気になるのは次期アクアで、様々な噂が聞かれる中、ヤリスハイブリッドがコンパクトな定番車種として用意される以上、次期アクアはさらに個性を強めることが必要になってくることは必至。
次期アクアは当然のことながら、新型ヤリスと同じTNGAプラットフォームでパワートレインも新開発の3気筒1.5リッター直噴の2モーターリチウムイオンバッテリーを搭載します。燃費性能もFFの最良値がJC08モードでリッター44.0km、WLTCモード燃費でリッター35.8kmという驚異的な低燃費を実現させることになるのです。
現行のアクアはかっこ良さに反して背の低いクーペ的なデザインが後席の狭さやヘッドクリアランスの低さがネックになっているので、次期アクアではこれらの手直しで居住空間の拡大、クオリティアップでの上級へシフトすることによって新型ヤリスとのコンセプト分けを明確にすると言われています。
このためにサイズアップ、全高の引き上げなども行われる可能性があり、新型ヤリスの全幅は1695mmの5ナンバーサイズですが、サイズアップで全長を若干延長し、全幅は1700mmを超える3ナンバー化に踏み切ることになるという噂もあるくらいです。次期アクアの登場時期は2020年12月発表、2021年2月頃の発売予定となっています。プリウスをふくめて、以前は遠方からみてもハイブリッドだと分かる専用車が必要でしたが、今は国内で販売されているトヨタ製乗用車の大半にハイブリッドが準備されています。
珍しい先進機能ではなくなったから、アクアやプリウスのようなハイブリッド専用車のニーズも薄れてきたのか、そうなるとアクアを存続させるのは従来とは違う専用車的なモデルとして明確な個性を打ち出さねばなりません。どちらにしろ現在アクアの人気と売れ行きは下降傾向にあり、トヨタのカローラシリーズ、ルーミー、タンク、シエンタなど設計が比較的新しい堅調に売れているコンパクトな車種があり、アクアの需要はこれらのモデルに取られていると言えるでしょう。
◆日産のラインナップがじり貧

一方のノートは事情が異なります。安全装備を含めた設計の新しさという意味では、購入するモデルがコンパクトカーとしてはノートしかないということが痛い話です。キューブとマーチはすでに設計が古く、衝突被害軽減ブレーキも採用されていません。さらにマーチは一時的に販売を中止して、改良を加えたあとに復活するようですが、キューブは2019年末で販売が終了となります。
ジュークは売れ筋カテゴリーのコンパクトSUVですが、海外で新型車を発売しながら、日本では旧型を売り続けているというジレンマもあります。セダンのシルフィは現行型で3ナンバー車になり、衝突被害軽減ブレーキも採用されていません。
このようなことから、カテゴリーに問わず比較的ボディのコンパクトな日産車を選ぼうとすると、ノートに限られるのが実情でしょう。
その結果、e-POWERの設定もあって堅調に売れています。2019年の10月の突発的なマイナス販売台数もありましたが、今後は売れ行きが再び戻ることになるでしょう。これができないと日産の販売体制にも影響がでてきます。ノートの2019年度上半期の小型車、普通車の販売ランキングではプリウスに次いで2位でした。しかしメーカー別の順位ではトヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツ、そして日産です。デイズとデイズルークス、ノート、セレナの販売台数合計は日産全体の67%ほど。
日産の少数精鋭の売れ筋車種に依存する売り方は非常に危うく、2019年10月にはノートに加えてセレナも前年比ではマイナス32%となり、日本全体では30%減少になっています。日産の場合はユーザーと販売会社の両方にとって、安定して販売できる新型車が求められているのかもしれません。
◆日産ノートの登場時期

現行のノートは2012年のデビューということから2019年段階ではすでに7年が経過しています。この7年で最も大きなトピックとしてはe-POWERの追加で、これがベストセラーとなりました。気になるのは新型のノートで、現在の情報では新型ノートはスライドドアを新たに採用し、リアシートの乗降性の利便性を高めていくといいます。スライドドアの採用によって開口部が広くなるだけではなく、サイドシルの高さも低くすることができバリアフリーという点でも大きな魅力になるに違いありません。新型ノートはe-POWERという飛び道具でさらに魅力を高め、コンパクトカーとして質実剛健なまでの快適性や使い勝手を追求してくることでしょう。
ノート、アクアはいずれも新型の登場が噂されています。モデル末期ながらもこれだけの人気を得ているのはその車自体が優秀といえるからでしょう。2019年1月から10月の累計販売台数を見ると、プリウスがトップで11万台、2位はノートで10万5000台、3位は8万台強でアクアでした。2019年の新車販売台数としてはプリウスかノートの一騎打ちになりそうです。