2019年の11月23日にローマ教皇が38年ぶりに2度目の来日をされました。これは1981年の第264代の教皇ヨハネ・パウロ2世以来のことなのです。その際、広島の移動にはマツダのマツダ3に乗っていたのですが、実は通常のカタログにはないモデルだっといわれています。なぜこのモデルが選ばれたのでしょうか?
◆マツダ3は乗りやすいの?

11月24日には被爆地の長崎を訪れ、核廃絶に向けたメッセージを発表されました。ミサが行われたのは長崎県営球場で、トヨタのMIRAIがベースのオープンモデルである「パパモビーレ」にのって登場したのです。このモデルは教皇の業務用の車で、環境問題を重視する教皇の意向で製作されたといわれています。トヨタの対応力には驚かされます。日本の天皇の行事の際にもセンチュリーのオープンモデルを登場させましたが、あれもセンチュリーをベースとしたものを改良したものでしたね。
教皇はその後、長崎から広島へ移動された際には平和記念公園で行われる平和のための集いに参加されました。その際の移動で使ったのがマツダ3なのです。おそらく、広島つながりで選択したのかもしれませんが、なぜフラッグシップのマツダ6や、より広いクロスオーバーモデルCX-8ではなかったのでしょうか?
庶民派として知られる教皇は移動時には小さなモデルを要望されることが多いといいます。バチカン市国の移動はフォードのフォーカスだとか。2014年に韓国を訪れた際にはKIAのコンパクトハッチバックであるSOULでした。そんな経緯もありボディサイズと居住性との関係からマツダ3が選ばれたのかもしれません。ですが、今回のマツダ3はカタログモデルにはない特別なモデルがベースとなっているようです。
マツダ3のセダンタイプの中でも、もっともベーシックなグレードは、2リッターガソリンエンジンを搭載する20Sプロアクティブの251万5700円です。しかし、法人やレンタカー向けの15Cというグレードが存在しています。装備の簡略化だけではなく、セダン唯一となる1.5リッターのガソリンエンジンを搭載したモデルで価格は200万円を切る設定ということです。マツダとしては、質素をよしとすることで知られる教皇の御意向からこのグレードが選択されたといいます。
ボディカラーは、ディープクリスタルブルーマイカで通常の15Cとは異なるのは、左フロントに装着された旗用のポールと上級モデルと同じ18インチアルミホイールを装着していたことでしょう。これは一般向けではない15Cであることのカモフラージュに加えて、見映えも関係していたのではないかと思われます。
ナンバープレートの「SCV1」はローマ教皇専用車を表しているといわれています。マツダとしては非常に光栄なことだということで、今後これを機にマツダ3に興味を持つ方が増えると嬉しく思います、ということです。