トヨタとホンダ。国内1位と2位の自動車メーカーから大型の新型が登場します。それはフィットとヤリス。ホンダのフィットは2019年11月下旬から2月への販売時期が変更となり、このためにトヨタのヤリスと同じ時期への発売となりました。価格についてはまだ未発表の段階ですが、この大型の新車を紐解いていきたいと思います。
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◆実はサイズが違いフィットとヤリス

トヨタとホンダが満を持して登場させるヤリスとフィット。車両のボディサイズは同程度なのですが、ボディの視界性についてはフィットに分があるといえます。前方の視界性もフィットが大きく見やすくなっているのです。ヤリスはフロントピラーを手前に引き寄せて、フィットは細く、前方の視界を向上させています。ユーザーとしてはファミリー層が中心になりそうなフィットには安全、安心が提供されているように感じます。そしてヤリスはパーソナルなユーザーが中心となりそうで、視認性も大事ですが、走りの質感を向上させているようにも思えます。
内外装については、ヤリスは平凡な形状ではありますが上質感を備えています。フィットは解放感がありますが、ハンドルも2本スポークで個性的ながら質感はヤリスに比べると高くはなさそうです。前席の座り心地についてはヤリス、フィットともに変わり映えしない感がありますが、後席についてはフィットに分上がりそうです。現行のヴィッツと比べても、足下空間が狭くなっているのがヤリスです。後席に座る人の膝先空間もヴィッツが握りこぶしで2個分、ヤリスは一つ半といったところでしょうか。ヤリスの前後席の間隔は4センチほど短くなったため、窮屈に感じるところはあるかもしれません。感覚の問題かもしれませんが。さらに床と床面の感覚も同じくらい減っており、座った感覚では膝の持ち上がり角度が高くなります。
フィットについては後席の膝先空間は、ヤリスと同じように座ってみると握りこぶしが2つ半ほどでしょうか。ヤリスに比べると明らかに広さを感じさせる作りになっています。リアについても荷室の容量が広くとられているフィットの積載量はヤリスよりも格段に違いを感じられます。後席と荷室についてはフィットに分がありそうです。ヤリスはホイールベースを4センチほど伸ばしており、前輪を前側へ移動させているので、後席と荷室には反映させていないということです。この先トヨタはヤリスのプラットフォームを活用し、天井の高い小型車の開発を計画中といいます。コンパクトミニバンの部類に入るであろうモデルになりそうで、ルーミー、タンクの後継モデルともいえそうですね。
◆ヤリスとフィットは走りが違う

ヤリスとフィットはエンジンにも違いがありそうです。両モデルともにノーマルタイプとハイブリッド車を用意するのですが、ヤリスは新開発の直3、1.5リッターとハイブリッド仕様、従来から設定されている直3、1リッターの搭載を予定しています。1.5リッターはヴィッツの1.3リッターと比べて動力性能と燃費が違います。ヤリスのほうが大きく優れているのです。1リッター車の価格は、1.5リッターに比べて約20万円ほど安くなりそうです。1リッタークラスはこのほどの消費税増税時に自動車重量税が4500円減額になっています。
フィットについては直4の1.3リッターと1.5リッターのハイブリッド仕様を設定します。ハイブリッドはエンジンが発電機を作動させてその電気を使ってふたつのモーターを駆動する方式です。エンジンは主に発電を担当し、回転数が速度の増減に左右されにくいことから、高効率な回転域を使えるためより多くの節約ができそうです。モーター駆動なので、加速が滑らかで瞬発力も高いといえます。
エンジンの種類を見てみると、ヤリスに1リッタークラスが搭載されることから、税金関連から見てもヤリスに分があると思ってしまいます。税金の減額幅については以下をご参考ください。
◎排気量
引下げ前の税率/引下げ後の税率 (引下げ額)
・1,000cc以下
29,500円/25,000円(▲4,500円)
・1,000cc超1,500cc以下
34,500円/30,500円(▲4,000円)
・1,500cc超2,000cc以下
39,500円/36,000円(▲3,500円)
・2,000cc超2,500cc以下
45,000円/43,500円(▲1,500円)
・2,500cc超3,000cc以下
51,000円/50,000円(▲1,000円)
・3,000cc超3,500cc以下
58,000円/57,000円(▲1,000円)
・3,500cc超4,000cc以下
66,500円/65,500円(▲1,000円)
・4,000cc超4,500cc以下
76,500円/75,500円(▲1,000円)
・4,500cc超6,000cc以下
88,000円/87,000円(▲1,000円)
・6,000cc超
111,000円/110,000円(▲1,000円)
◆走りの質感はヤリスに軍配か?

走行安定性はプラットフォームを刷新したヤリスには期待できそうです。ヤリスの。1.5リッターは動力性能と安定性が優れ、車内は前席が優先となっていますから、1から2名での乗車には問題なく性能を発揮できそうです。一方のフィットは後席と荷室の広さからファミリー層を中心に選ばれることになりそうです。ハイブリッドを選ぶと、上質な走りを味わうことができ、燃料代も節約できる感じですね。
2020年早々に大型モデルの登場で市場が大いににぎわいそうです。2月という発売時期もちょうど決算時期にあたるため両メーカー過激なキャンペーンバトルが繰り広げられそうです。ヤリスとフィットは同じコンパクトカークラスながら味付けの違うモデルとなっていますので、ユーザー層が明確にわかれることになると考えられます。