新車情報2021 日産 e-4ORCEが搭載されるセレナにも期待したい!4wd制御技術がついに世界初公開

日産が新型の電動駆動制御技術を発表しましたね。どうやらテスト車両も登場していたようで、この車両には日産が培ってきた電動化技術、4wd制御技術、シャシー制御技術を統合制御した電動駆動による新しい4輪制御技術が搭載されているというのです。

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◆注目される日産の新技術

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2020年1月にラスベガスで開催するCES2020で日産から統合制御した4輪制御技術が発表されました。その名も「e-4ORCE(イーフォース)」と命名されています。4輪制御技術であるイーフォースは、2019年の東京モーターショーで登場しました日産アリアコンセプトに搭載されていたというから驚きです。まさかすでに搭載されていたとは・・・。イーフォース搭載車は、市販されているEVである電気自動車のリーフe+をベースに、前輪を駆動するために使っている高出力電動モーターを後輪側にも搭載し4輪駆動化しています。搭載する62kwhバッテリーの電力入出力特性などは基本的にリーフe+と同じで、前後のモーターから発せられる総合出力は約308ps/680NM(約67kgm)。前後のサスペンションは形式を変更しておりワイドとレッド化、ステアリング機構は操作に対する応答性を向上させるためにデュアルピニオンタイプへと進化させています。鍛造1ピース軽量ホイールのレイズTE37に組み合わせられているタイヤはコンチネンタルのウルトラコンタクト UC6で、タイヤサイズはフロントが215/55R17、リヤが235/50R17の設定となっています。

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◆新型e-4ORCEは何がすごいのか?

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日産がこだわりを持って開発してきた1万分の1秒単位での制御は確かに緻密でなめらかと思えます。アクセルペダルの全開操作では俊敏な加速を披露するのは当たり前としても、日常領域で多用する開度にして50%以下での微妙なペダル操作に対してすっと反応しますし、素直にそれがそのまま加速度の向上につながっています。もっとも好みは人それぞれということでしょうけれども、ECOモードは微妙なペダル操作に対する加速度変化が穏やかになっており、気負わずに運転ができるところがウリといえるでしょうか?

ワインディング道路については駆動方式による走行フィールを体感することが目的となっており、60から70㎞/h前後を保ったまま走り切ります。低重心かつ最適化された前後ロールセンターによって、リールe+は終始安定します。意図的に乱暴なステアリング操作をしたとしても、タイヤの摩擦円を超えない限りはドライバーの意図した挙動を行い続けてくれます。

e-4ORCE搭載車は、加速のシーンでは文字通りの素早い加速度の立ち上がりと、安定した躍度の両方を体感できます。さすがに前後がツインモーターなので力強く、発進時からドドンと後ろから蹴飛ばされるような鋭い加速を行い、躍度が落ち着くタイミングでは初動のような荒々しさは感じさせません。40㎞/hほどの速度からはアクセルペダルを全閉にしてみると、その瞬間からe-Pedalによる回生ブレーキで減速が始まるのです。前後のモーターが減速度を生み出すので車体は前のめりというよりも、下方向へ沈み込むような挙動になっているといえます。日産ではこれをフラット制御と呼んでいるようですが、減速度は強いですが頭が前に持っていかれる動きが少なく、代わりにシート座面に太ももが押し付けられる感じです。これはドライバーにとってみれば滑りやすい路面などでは安心感にもつながり、同乗者も気が休まるというものでしょうか。

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◆新型e-4ORCEはどこで差がつくのか?

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日産が新開発したe-4ORCEの変化はは大きなカーブでその性能がわかるのかもしれません。連続したカーブの切り返しが多いところではステアリングを右に切り、左に切り、また右に切る、、、ということを繰り返しながらアクセルペダルのシンクロをしてくれます。FF方式の車では、たとえばステアリング操作の切り遅れがないにせよ左右への切り返し時には車体のヨー方向に一定のずれが生じ、端的にいうとそれが曲がりにくさとなりドライバーには認識されてしまいます。イーフォース搭載車はその遅れが大幅に減り、さらにカーブから切り返した先の左カーブもグイグイ曲がってくれます。具体的な制御については、ステアリングを右から左へ切り返す動きを入れたとき、右旋回のヨーが安定したころには次挙動に対する予測が始まっているのです。この瞬間に、直進するのか、どちら側にステアリングを切るのかということをイーフォースのシステムが読み取り、ドライバーの意に合わせて操作されるのです。

左のカーブへ行く場合、各種パラメータ変化による4輪制御統合が介入してきており、カーブ外側の駆動力は強められ、カーブ内側には駆動力を弱める制御、つまりカーブの内巻き挙動が発生します。まさしくこの時点におけるイーフォースは、社則や前後左右の加減速度、アクセルの踏み込み量や踏み込み速度、さらにはステアリングの切込み量や切込み速度などに対応して、曲がる力と駆動する力の両方が最大になるように運転環境を作り出しているといえるのです。

さらにこの時には、前後独立させたブレーキ制御をカーブ内側に連続可変介入させており、LSD効果で旋回力を強めつつ、前後ツインモーターなので前後の駆動力配分も同時に連続可変させながら、結果的に4輪の駆動力と旋回力の緻密な制御をおこなっているのです。イーフォースの考え方としては同じく前後ツインモーターの三菱アウトランダーPHEVの4輪駆動制御システムである「S-AWC」に近しい感じといえるでしょう。

◆新型e-4ORCEの性能のすごさ

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実はイーフォースのすごさは定常旋回時にこそ威力を発揮するようですね。電気化技術、4wd制御技術、シャシー制御技術の3つの分野を統合した制御技術の相乗効果によって、外へと流されてしまいそうになる前に内側へ引き戻す力をシステムが生み出して定常旋回走行を可能な限りサポートしてくれます。さらにそれだけではなく、安定した定常円旋回状態からさらにアクセルをじんわり踏み込むと、システムは摩擦円をギリギリまで使い切れるように制御を微調整しながら、最終的に限界点を超えそうになると今度は4輪の駆動力制御を変更し、これまでの切った分だけ無理なく旋回していたニュートラルステア状態から、後輪が少しだけ外へと流れる弱いオーバーステア状態へと移行され、タイヤの摩擦円が限界点に近づいていることを教えてくれるのです。ドライバーによっては、そうしたイーフォースから受け取るメッセージのようなものを受けゆっくりとアクセルペダルを緩めていけば安定した定常円旋回走行に戻っていけるでしょう。イーフォースの効果は絶大で、車両の持つ限界性能を最大限に引き出してくれる大きな存在なのです。

日産ではそうした高い走行性能をわかりやすく表現するために、EVの持つ力を拡大するe-4ORCEと謳っています。当然ながら公道ではそうした限界付近の性能よりも日常領域での安全性を高めたニーズが大きくなることは間違いなく、雨の時や雪道など滑りやすい路面で効果が発揮されるでしょう。イーフォースがもたらす4輪制御技術は悪条件化で限界点が下がった状態でもドライバーの力強い味方になってくれるはずです。問答モーターの強みを活かした駆動と回生の瞬間的な切り替えは、荷重変動を抑えた運転操作に適しているといえます。この先に実装されるであろうSAEのレベル3以上の自動運転技術と合わせて日産の技術には期待できることが多くありそうですね。

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