新車情報2020 トヨタ新型ヤリスと日産ノートのエンジンを徹底比較。燃費はやっぱりヤリスの軍配。

新型ヤリスと新型フィットの登場で1.5リッター以下の排気量をもつモデルが注目されています。カローラもそうでしたが、ここ最近はボディが大型化している傾向もある新車市場ですが、それとは逆に車の心臓ともいえるエンジンは従来の比較的排気量の大きいノーマルエンジンを代替するのが今の流行といいます。国内のモデルでも1.5リッターエンジンは充実していましたが、今1.5リッターが業界内では熱いようです。その1.5リッターモデルである新型のヤリスとノートの直列3気筒エンジンを積むモデルを比較してみたいと思います。

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◆新型ヤリスのエンジンはモンスタークラス

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2020年2月10日に発売されるトヨタのヤリス。1.0リッターの直3CVTと、1.5リッターの直3、ダイレクトシフトCVT、さらに1.5リッター直3、THSⅡハイブリッドの3つのパワートレインが搭載されます。36.0㎞/Lという驚異的な燃費性能を誇るハイブリッドエンジンですが、この燃費性能を支えている新開発のM15A型エンジンとはどんなエンジンなのでしょうか?

ヤリスの燃費性能は世界トップといえるほどの性能を誇ります。その数値は36.0㎞/Lというもの。従来のJC08モード燃費でもそれくらいでした。WLTCモードは走行性能に換算した数値といわれており実質燃費に違いといわれています。新型ヤリスのがJC08モード燃費で表示された場合、50㎞/Lは超える性能を得たといえるでしょう。ハイブリッドモデルで36.0㎞/L、郊外モードになると40.2㎞/Lを超える恐るべき数値をたたき出します。

ガソリンモデルについては標準のWLTCモードで21.6㎞/L、郊外モードになると22.9㎞/Lということでこれも他のコンパクトカーと比べると圧倒的に性能がいいということになります。この燃費性能をたたき出すのが、新開発の1.5リッターダイナミックフォースエンジンです。このエンジンは、型式はM15A型でハイブリッド版がM15A-FXEというものです。いわゆるTNGAエンジンであり、ボアxストロークは80.5x97.6になっています。ダイナミックフォースエンジンは、タンブル流を強化することで急速燃費の促進と最大熱効率の向上を目的としており、吸気ポートのストレート配置や、ロングストローク、ポート噴射、直噴の併用などが共通項としてあげることができます。

従来の1.5リッター直4である1NZ- FXE型よりも熱効率が2%改善され、熱効率は40%を超えたといわれています。

タンブル流とはシリンダー内における吸気や作動流体の渦状の流れについて、シリンダー中心軸まわりに旋回する横渦をスワールとよび、それと直角方向の縦渦をタンブル、あるいはタンブル渦、タンブル旋回流といいます。タンブルを生成することによって、混合気内にタービュランスが誘発され、燃焼速度が向上することから、燃費改善や気迫燃焼限界向上の手段として利用されることがあります。また、直噴噴射層状給気エンジンにおいても、給気層状化の手段としてタンブル流が利用される例もあったりします。

・新型ヤリスのプラットフォーム

新型ヤリスでは基本骨格が刷新されています。トヨタの今後のコンパクトカーに広く採用されていくことが名言されているこのプラットフォームをGA-Bプラットフォームといいます。2015年12月発表の現行のプリウスで採用されはじめたTNGAプラットフォーム。GA-Cと呼ばれているこの最初のタイプは現在プリウスのほかに、C-HR、カローラ、レクサスUXに採用されています。より大型のGA-Kはカムリ、RAV4、レクサスES,後輪駆動車用のGA-Lはクラウン、レクサスLCやLSに使われています。

今回新型ヤリスで採用されたのはTNGAプラットフォームの第4弾であるGA-Bです。FFコンパクトカー用で、大きな特徴としてはリヤサスペンション形式がトーションビーム式であること。小型FF車のリヤ指すとしては普及している形式ですが、TNGAプラットフォームではこのGA-Bが初採用となります。

GA-Bプラットフォームのトーションビーム式リヤサスにはいくつか特徴的な部分があります。もっとも目を引くのは、車体取付け部のトーコレクトブッシュを平行配置していることです。他車の多くはななめ配置になっており、一般的にはこちらの形式のほうがハンドリング面では有利になりますが、乗り心地面では不利になるといわれています。新型ヤリスでは従来のコンパクトカーを超えるフラットで路面からのショックが少ない乗り心地を目指して平行配置を採用しており、他の部分を磨き上げてキビキビとした意のままの走りを目指したといわれています。

骨格な主要な部分を連滅しクラストップといわれるほどの剛性を実現しました。先代と比較するとねじり剛性は30%向上、ダッシュボード前の環状構造や、リヤ開口部の環状構造+サスタワー直結ブレースなど、トヨタ車としては珍しい手法が各部に見られます。TNGAプラットフォーム共通の低重心化ももちろん実施されており、先代から重心高を15mm下げています。軽量化にも気を配り、先代で同等の装備を持つハイブリッド車同士で比較しても車両重量は50㎏を超える軽量化を図っています。

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◆ノートのエンジンは?

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2016年のマイナーチェンジでハイブリッドシステムを導入したノート。実は日産のノートに展開されているのはe-powerだけではありません。低燃費と走行性能にこだわった仕様のエコスーパーチャージャーなど、ガソリン車も用意されています。e-POWERの加速は確かに気になるけど、ガソリンエンジンも捨てがたい、という方や、e-POWERで始めて日産のノートが気になる始めたという方、さらには少し検討しているなど・・・。ノートにはどんなエンジンがあるのか、ご紹介したいと思います。

・1.2リッター直3ガソリンエンジン

コンパクトカーといえば軽量コンパクトのエンジンではないでしょうか?いまどきの車なのでアイドリングストップなどの機能はもちろんついていますが、それ以外はノートの中で一番ノーマルなガソリンエンジンが搭載された仕様になるかと思います。

1.2リッター直3エンジンは安価なエンジンといえるでしょうか。グレードにもよりますが、車体価格がだいたい150万円で抑えられており、オプションや諸経費を含めても200万円ほどで購入ができたりします。先進的な機能がほとんどついていないとなりますが、今までずっとガソリンエンジンの乗っていて慣れている方や、新しい機能が煩わしいという方には安心して乗ることができるエンジンといえそうです。

注意点としては、発売当初から低燃費にこだわったガソリン車のノートですが、ハイブリッドやスーパーチャージャーのような低燃費は期待できないということ。何度かの改良によって出たころのモデルよりかはさらによくなっていますが・・・。さらに減税の対象ではありますが、免税にはなりませんのでご注意ください。

燃費性能はJC08モードで23.4㎞/Lくらいです。

・1.2リッター直3ガソリンエンジン+エコスーパーチャージャー

1.2リッターのエンジンにスーパーチャージャーをプラスすることで低速域でも1.5リッターモデルに匹敵する加速力を引き出すことができます。スーパーチャージャーとは過給器のことをいいますが、ターボとは違い、エンジンがさほど回っていない状態でもパワーを発揮しやすくなります。スイッチ一つでECOモードへの切り替えができ、ECOモードでの走行中はスーパーチャージャーが作動しません。パワーが必要な時とそうでない時を使い分けることで燃費にやさしいドライブができます。

このエンジンの魅力は燃費自体はノーマルなノートと比較しても大きく変わらないのですが、エコメーターがついているために、燃費をきにしながらもガソリン車の走行を楽しむことができることでしょう。ECOモードをうまく利用することで、ノーマルのガソリン車よりも燃費コントロールがうまくできます。また、エコスーパーチャージャーでの走行は1200ccであることを忘れてしまいそうなパワフルな走行で、減税対象車になり諸経費を抑えることができます。

このエンジンの注意点としては、低燃費といいつつも駆動はガソリンエンジンだけなので、それなりに燃費を消費してしまいます。またハイブリッドカーのようなEV走行をするわけではないのでガソリン車と同じ騒音があったりするのです。

燃費性能はJC8モード燃費で26.2㎞/Lくらいです。

・1.2リッター直3ガソリンエンジン+e-POWER

e-POWERのハイブリッドシステムは、今までのハイブリッドシステムとは役割が反対といえます。ガソリンエンジンは発電だけに専念し、走行はモーターが行うのです。モーターということはエンジンを動かす必要がないため、変速ギヤがないということです。

ギヤがないということはアクセルを踏む、ギヤが変更される、加速するという動作がないため、加速の速さがガソリンエンジンとは比較にならないほど速く、給油をすること自体はガソリン車と変わりませんが、燃料の使い道が発電のみとなるために、走行するよりも燃費の消費を抑えることができます。静粛性は完全な電気自動車ではないために、エンジンが作動した時の音はありますが、モーター走行の場合はかなり静かになります。

このエンジンのメリットは、踏んでからのレスポンスがとても速いので、加速がいいということです。またガソリン車とは違う加速の仕方をするので、電気自動車の走行を楽しむことができるということでしょう。リーフほどではないにしろ、エンジンが作動しない限りは騒音を抑えられるため、静かな車を求めている方にはいいかもしれません。免税対象車のために、諸経費を大きく抑えることができるでしょう。

そしてこのエンジンの注意点としては、e-POWERというだけで約30万円ほど高くなってしまうこと。そのために燃費ありきで購入してしまうと結構割高になってしまいそうです。また、e-POWERは今までにないハイブリッドシステムということもあり、実際にはリコールが起こる可能性は高いともいえそうです。

燃費性能としてはJC08モード燃費で37.0㎞/Lくらいになります。

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◆ヤリスを選ぶか、ノートを選ぶか

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エンジンには変速ギヤというものがあります。ギヤを変速することで加速の大小を調整できますが、レスポンスが良いというのは、この変速動作をしてから加速に至るまでが速いということになるでしょう。

どんなに素早くてもギヤを変えて加速するという動作がありますが、他のハイブリッド車でもギヤはありますが、モーターで走行するe-POWERには変速ギヤがありません。ということは変速の感覚がないままに瞬時に加速するということなのです。そのため踏んだら即加速という意味では少し別物になります。アクセルを緩めるとすぐに回生ブレーキに切り替わります。これが新感覚といえるかもしれません。新感覚のモーター走行が気に入った、または違和感を感じないということであればe-POWER、エンジンがいいなという方はエコスーパーチャージャーを選択、ということになるでしょうか?

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