新型ヤリスとマツダ3 エンジンの性能を比較。スカイアクティブ-XとM15A型エンジン

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2019年ロサンゼルスモーターショーで公開された新型のマツダ3。新型はスカイアクティブビークル・アーキテクチャーが採用されており、マイルドハイブリッドを搭載した新たなパワートレインが更なる低燃費を達成すると考えられています。そして燃費性能だけではなく、走行性能やエクステリアの良さ、インテリアの質感アップの高さなど現行型からさらなるレベルアップを実現しているといいます。その注目のスカイアクティブ-Xと新型ヤリスのエンジンの性能にはどれほどの違いがあるのでしょうか?

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◆マツダ3のデザインは評価が高い

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2018年11月に開催されましたロサンゼルスモーターショーで世界初公開されたマツダの新型マツダ3は、2017年に開催された東京モーターショー2017で公開されました、「マツダ魁(カイ)」コンセプト」をほとんどそのままで登場させたと思わせるデザインでした。コンセプトモデル通りの新型マツダ3にふさわしいデザインといわれています。マツダ3はマツダの世界販売台数の3分の1を占める重要な基幹モデルであり、北米の販売比率は50%を占めるほどです。それだけに北米で売れているモデルということもあり、ロサンゼルスモーターショーで世界初公開したポルシェ911と並び、マツダ3も大きな話題となりました。

・マツダ3=アクセラ

日本ではアクセラという車名で販売されたいたマツダ3は、2003年のデビュー以来世界の販売累計台数は600万台を超えるマツダの主力グローバル戦略車といえます。先代モデルの3代目にはガソリンエンジンとディーゼルエンジンの5ドアハッチバック、4ドアセダンの2種類が設定されており、セダンにのみガソリンエンジンとモーターを搭載したマイルドハイブリッド仕様を設定していました。

マツダ3と先代モデルは共有部品としてはヘッドランプとシグネチャーウイング、フロントガラスのみで、ほとんどが新型専用の設計になっています。セダンは「凛とした伸びやかさ」、ハッチバックは「色気のある魂」をデザインコンセプトとしており、これまでのデザイン哲学である魂動の進化版といえるでしょう。セダンでは先代型よりボンネットの高さを30mm下げて伸びやかさを演出しており、AピラーからCピラー、トランクにかけてはクーペラインのフォルムが施されています。

そしてトランクの後部に近づくにつれて、エッジを効かせたことどトランクを長くみせてエレガントさを強調しているのです。ハッチバックではよりは低く、ロングノーズと台形を踏ん張るようなシルエットが体現されています。

・新世代プラットフォーム

新型のマツダ3にはなんといっても新世代のプラットフォームである「スカイアクティブビークル・アーキテクチャー」が初採用されました。そのためシャシーの基本骨格をストレート化した環状構造になっています。さらには980Mpa以上の超高張力銅板の使用化率が先代の3%から、新型では30%まで大幅に引き上げられました。鉄板と鉄板との溶接部分は減衰ボンドと呼ばれる樹脂を挟み込み、これがダンパー効果を生み出して不快に感じるエネルギーをボディが吸収してくれます。

これに装着するサスペンションは
フロントを従来と同じマクファーソンストラット式、リアは新開発のトーションビーム式に変更され、コーンリング時の旋回能力とスタビリティを向上させています。

・Gベクタリングコントロールプラス

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駆動方式はFFとAWDモデルの2種類を用意しています。特にAWDモデルは、普段はほぼFFの状態でありながらも走行状況やドライバーの意図に応じて、自動で前後輪のトルク配分をコントロールすることで、大幅な燃費向上を実現した「iアクティブAWD」を装備しました。2018年10月に発表した車両運動制御技術である「G「ベクタリングコントロールプラス」も搭載されています。

これはドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動輪のトルクを変化さえて、加速度を横方向と前後方向を統合的にコントロールして、四輪への接地荷重を最適化させるシステムです。世界初の姿勢制御技術といわれていました。

・マツダ独自の安全技術

新型マツダ3で採用されている「i-アクティブセンス」は従来型よりも大幅に進化しています。新たに赤外線カメラでドライバーを常にモニタリングする機能も追加されています。センサーディスプレイにつけられた赤外線カメラでドライバーを常にモニタリングすることで、ドライバーのよそ見や居眠り運転を検知し、警告を発進します。この時、自動制御ブレーキのタイミングが早まり、衝突のリスクを軽減させます。まtあ、停止時からの60㎞/hの間であれば、前方車両を追従するとステアリングアシストを行う渋滞時に便利なクルージング・トラフィックサポートも新たに搭載されました。

・注目はスカイアクティブ-X

パワーユニットはガソリンエンジンのスカイアクティブ-Gで直列4気筒の1.5リッター、2.0リッター、2.5リッターの3種類です。このうち、1.5リッターと2.0リッターモデルはモーターも搭載したマイルドハイブリッドとなっています。

ディーゼルエンジンのスカイアクティブ-Dで1.8リッターのみのラインナップです。さらに量産車として初めて実用化された圧縮着火のスカイアクティブーXの搭載にも注目が集まっています。

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このスカイアクティブーXは簡単にいうところでは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのいいところを融合した次世代にふさわしいガソリンエンジンといえます。これまで以上の高いレベルで優れた環境性能と意のままの走行性能を実現し、地球と人に寄り添うエンジンともいえるでしょう。環境性能では燃費が現行のガソリンエンジンに比べて最大で20~30%程度向上し、トルクを全域10%以上から最大で30%向上します。2.0リッターガソリンエンジンのスポーツカーであるロードスター並みの走行性能を、1.5リッターエンジンのコンパクトカーであるデミオと同等のCO2排出量で実現できるということになるのです。

スカイアクティブーXの技術革新の中には、異常燃焼しやすいという性質を逆手に取って利用していることが挙げられます。スカイアクティブーXはたくさんの気体を強い力で圧縮して点火プラグで火をつけるシリンダー内で多数の火種がすばやく燃焼し、大きなエネルギーを得られる仕組みになっています。高圧縮状態で火種を自着火させるという穏やかな異常燃焼のような現象を利用しています。

もう一つはシリンダー内の気体と燃焼ガソリンのバランスです。シリンダー内では空気と燃焼ガスと燃料の混じった混合気を作ります。混合気における気体の割合が大きければ大きいほど、燃費はよくなります。スカイアクティブ-Xは従来のエンジンより大幅に気体の割合を大きくすることに成功したのです。

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◆新型ヤリスのパワートレイン

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新型ヤリスでは直列3気筒1.0リッターガソリンエンジンと、直レス3気筒1.5リッターガソリンエンジン、そしてリダクション機構付のTHSⅡの3つのパワートレインを採用しています。このうち1.0リッターエンジンとCVTは従来型を改良したものになっています。この1.0リッターエンジンの主な変更点は、エアクリーナー位置の最適化を行って圧力損失と吸気温度の低減を実現させています。排気側ではエバポレーターを新規制に対応させています。そしてエンジンかるノイズについても、チェーンケースとオイルパンにリブを追加して鳴りを抑え、さらにエンジンマウントの最適化も行うことで低減。駆動系ではワイドレンジ小容量CVTの採用により、動力性能、軽量化、燃費向上を推し進めています。

こうした改良によって1.0リッターエンジンながらよく走ると感じられる特性となっており、燃費も向上させています。1.0リッターのヤリスは競争が激しいレンタカーなどの法人利用も想定しているということで、エントリーグレードといっても高いレベルの作りこみが行われているのです。

1.5リッターのM15A型については、新開発されたもので、ガソリンモデルとハイブリッドモデルの両方にM15Aという型式が使われています。仕様はそれぞれの用途に合わせた作り分けが実施されています。その内容について、ガソリン車用は環境に配慮したクリーンな排気と燃費のよさを求めたものです。燃料噴射は直噴で、ポート形状もタンブル流を発生しやすい形状として混合気の燃焼効率を高めて、さらに混合気の燃え広がりが速い高速燃焼システムという燃焼室構造を採用しています。この燃焼スピードは量産エンジンの中で最速といわれています。

・3気筒の1.5リッターエンジン

今回のエンジン開発ではTNGAの共通したコンセプトで作るというテーマがあったそうです。サイズの面で軽量・コンパクト化ができることから3気筒が選ばれたといいます。3気筒だと4気筒より1気筒少ない分、フリクションを提言できることも理由と一つといわれています。MA15A型はボアが80.5mmですが、これを4気筒にすると70mm台のサイズとなり、このサイズで1.5リッターエンジンを作ると全高が伸びてしまうので小型化が難しくなってしまうといいます。

4気筒より3気筒のほうがピストンの直径が大きくなるので、燃焼速度で不利になるようにも感じられますが、この高速燃焼システムは4気筒の2.0リッターエンジンで採用されている技術で、1.5リッター3気筒のボアでも問題はないといいます。

M15A型エンジンは低回転域のトルクが太いのが特徴ですが、これも3気筒の特性が関係しているといいます。それは、3気筒ではそれぞれの爆発の感覚が240度くらいとなるので、排気ポートやエキゾーストマニホールドでの排気干渉が起こらないという特徴があります。このことは、エンジンの特性を作る上で低速トルクを稼ぎやすいことにつながるとされ、3気筒は4気筒より低速トルクを持ち上げることに優れているというのです。

一方で高回転側についてはエンジンは高回転までまわすと吸入空気に慣性が効いてくるので、ここは3気筒も4気筒も大きな差はないといいます。3気筒は排気干渉がないので、燃焼後の排気がスムーズに燃焼室から出ていってくれます。すると燃焼室内の圧力が余計に高まることがないので、次に入ってくる吸気の効率を妨げないという利点がでてきます。

トランスミッションについては、M15AガソリンエンジンにはレクサスUXにも採用されている発進ギヤ付のダイレクトシフトCVTが採用されています。CVTに発進用ギアを設けることでエンジン回転が先行して上がり、加速が後からついてくるCVT独特のラバーバンドフィールがなくなり、ダイレクト感が得られるというメリットがあります。さらに発進ギアがあるのでCVT機構のギヤ比を高速側に寄せることが可能となるため、一般的なトルコンATに置き換えると8速AT並のワイドレンジ化を実現します。エンジン回転数を抑えることで低燃費や静粛性に貢献しています。

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