新型ヤリスと新型フィットのコンセプトは大きく違う分選びやすいかもしれない。

ついに登場したヤリスフィット。同じコンパクトカー同士だけに販売台数はどっちが売れるのか、だったり、買うならどっちがいいのか?と考えてしまう人は多いと思います。燃費がいいからとヤリスを選択してしまうと室内空間に難あり、とかフィットであればもうちょっと燃費性能が欲しいなど納得する部分や不満など出てくると思います。どこを落としどころとするのかよく考えて購入する必要もあるかもしれませんね。

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◆新型ヤリスは走りを重視したタイプ

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ヴィッツ改め、ヤリスへと改名したモデルですが、TNGAプラットフォームのGA-Bを初採用したことで、軽量化、高剛性、低重心なボディを実現しています。正直ファミリーの方々にとってみれば、高剛性なんてものは必要ないのかもしれませんよね。ヤリスは低重心なボディでありコンパクトカーならではの軽快なハンドリングがウリのモデルです。走りについては上質と言えるかもしれません。車に拘っている方、特に走りに重きを置く方にはこちらのヤリスがぴったりだと思われます。

車のサイズを再確認していきましょう。ボディサイズは全長が3940mm、全高が1500mm、全幅が1695mm、ホイールベースが2550と先代のヴィッツから比べると少しだけ短くなっています。その分ホイールベースが拡がっているため、安定した走りを実現できるモデルといえそうですね。そして走りに特化した改良がされているということで、車重も50kg軽量化し、ねじり剛性を30%以上強化、そして重心も1.5cm下げていることで操縦安定性も良好なようです。

なんといってもパワートレインにも注目が集まっている新型のヤリスですが、新たに開発された直列3気筒1.5リッターのダイナミックフォースエンジンを採用したハイブリッドシステムを搭載しています。これにより、WLTCモード燃費で36.0km/Lという驚異的な燃費性能を誇っています。日本のコンパクトカーの中でアタマ一つ抜け出た感じがしますよね。そしてコンパクトカーのハイブリッドモデルとしては初めて搭載しているE-FOURにも期待ができます。

このE-FOURですが、新型のRAV4にも搭載されているもので、RAV4ほどのクラスでも燃費性能が20km/Lを超えるくらい優秀なパワートレインなのです。後輪の最大トルクを増大させ、前後輪トルク配分を100:0から最大20:80まで可変が可能なところで、前後輪のトルク配分を最適に制御してくれます。坂道を検知すると必要な分だけ自動的に後輪のトルクを上げてくれる優れものです。

ヤリスのCMも女性が走りまくるというCMになっているだけにいかに走りに重きをおいたモデルであるかというのがイメージできますよね。そしてセリカGT-FOUR以来の登場と言われているスポーツ4WDのGRヤリス。このモデルは3ドアといこと、専用の1.6リッター3気筒ターボエンジンを搭載していることがポイントになります。3気筒エンジンとしてはたぶん世界最高といえる272psを発揮するということを考えると、トヨタの本気度がどれくらいかということがわかるくらい完成度が高くなっています。

GRヤリスほど高性能なモデルはここ最近では見かけないほどよくできていますよね。先行予約も1月10日から始まっており、すでに2000台が予約されているといいます。これが2週間でのことなので、現状では3000台ほどいっているかもしれません。2台のグレードが設定されていますが、456万円の高い方の「RZ ハイパフォーマンスファーストエディション」に人気が集まっていると言うことです。

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◆新型フィットは従来モデルから脱皮

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そのヤリスに対して登場したのが新型フィットです。ホンダとしてはヤリスはライバル視していないところもあるみたいですが、一般ユーザーからするとやはりヤリスとフィットの販売台数競争に目がいってしまいます。かなりアクティブなヤリスとは正反対とも言える親しみやすいモデルになっています。

今回新型フィットは4つの心地よさを全面に押し出したコンセプトで開発されています。2つ目は心地よい視界であること。せっかく乗る車ですから見晴らしのいい景色を見ながら運転をしたいものですよね。きっと日常の景色が変わると思います。車のデザインや構造から考え直し、スッキリとした心地よさを感じることでしょう。

2つ目は座り心地です。中には長時間運転する方も多いでしょう。その点新型のフィットは新開発のボディースタビライジングシートを採用し、全身をすっぽりと包み込んでくれるシートを実現しています。このシートは上級セダンにもいずれは採用されるということです。まずは量販モデルの新型フィットに搭載といったところですが、コンパクトカーでこの質感は考えられないくらいに”いいもの”といえます。

3つ目は乗り心地がいいこと。普段パートナーとして気分をよくしてくれるものでもある車ですが、乗り心地がいいと気分も乗ってきますからね。新型フィットにはコンパクトカーとしては初めて採用するe:HEVを搭載。日常の走行はほとんどがモーター走行を中心に行ってくれます。そうなると静かに走ってくれたり、よりパワフルに走ってくれたりと住宅街の朝早くからのお出かけにも最適ですね。このe:HEVには3つのドライブモードが備わっています。

・EVドライブモード

幅広い領域でバッテリーからの電気によりモーターのみで走行してくれます。エンジンを止めて走ってくれるのでガソリンを使わずに電気自動車として走行してくれます。

・ハイブリッドドライブモード

加速が強い時には、エンジンの力で発電した電気モーターを駆動してくれます。車速にリニアな加速音とともに走行してくれて、高い出力時にはさらにバッテリーからも電力を供給してくれます。

・エンジンドライブモード

エンジンの得意としている領域である高速巡行時にエンジンと車輪を直結し、エンジンの力で走行してくれます。

このe:HEVはモーター走行を中心に電気エネルギー、エンジン動力を最も効率よく使い分けてくれるかなり賢いハイブリッドシステムといえます。

今回の新型フィットでは従来よりグレード体系を大きく変えてきています。ユーザーのライフスタイルによって選べる5つのタイプに分かれているのです。その5つとは「ベーシック」、「ホーム」、「ネス」、「クロスター」、「リュクス」の5つです。注目はフリードにも採用されているクロスオーバーテイストモデルである「クロスター」と言われていますが、案外「ネス」も侮れません。

エクステリアについては、初見ではダサいなという印象でしたが、発表されてから、見る機会も増えてきた中でどこか親しみの持てるデザインということがわかってきました。4つの心地よさにはデザインも大きく関係しているのかもしれませんね。極力丸みを中心にデザインされており、U字型の大きなヘッドライトや、少しだけのグリルなど、今はやりのオラオラ系にはない安心感の持てるモデルということがわかります。

新型ヤリスと新型フィットはそれぞれキャラクターが大きく違いますが、ユーザーからははっきりしたコンセプトわけをしているだけに選びやすい車たちだと思われます。新型ヤリスは走行性能の高さ、新型フィットは上級セダンのような安心感、親しみの持てるモデル、などあると思いますが、一つ言えることはイイ車が同時に2台も登場したために、悩んでしまうということは間違いないでしょう。

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