ホンダの新型フィットがついに登場しました。今回の新型フィットは4つの心地よさが中心として改良されています。街中ではすでに新型フィットの姿を見かけることができるようになってきていますが、今回の装備にタコメーターが搭載されていないという話を耳にしました。新型のフィットにはなぜタコメーターが搭載されていないのでしょうか?
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◆タコメーターは必要な機能ではない!?

そもそもエンジンの回転計というのは、変速する際にエンジンの回転を確認するためにあります。そのために運転者が自分で変速しない自動変速機(AT)の車は基本必要のない計器なのです。エンジンは回転数と共にトルクや出力が変化するために、その変化の様子についてはだいたいは山なりのグラフのかたちをつくります。変速する際に、その山なりになるグラルの頂点をつなぐようにシフトアップをしていけば、最大の加速を続けることができるようになります。それを実現するために、エンジンの回転計があるのです。
このほかにも減速の際に変速する場合には、ある程度エンジン回転が下がったところで変速をしないと、ギヤ比の関係でエンジンが過剰な回転をしてしまい、壊してしまう可能性があります。そこでシフトダウン(減速)する際にエンジンの回転計で、変速することで回転が上昇する分を考慮して操作するのにも役に立ちます。
例えば、レーシングカーではエンジンの回転計というのは必要不可欠であり、速度計は装備されていないものもあります。レースをする上では、速度を確認する必要はあまりないからと言われています。
◆ホンダに苦情が届いた

1994年に誕生したホンダのオデッセイは、ミニバンという性質上と、シフトがATであったことでエンジン回転計は不要だと考え速度計だけにしたときがありました。そうすると、一部のユーザーから「エンジン回転計を無くしたのはなぜか?」と苦情が届いたと言われています。そこでホンダは、2世代目のオデッセイからメーターパネルにエンジンの回転計を設定したのでした。
本来、不要なものといえるエンジン回転計ですが、一部のユーザーがミニバンである、しかもAT車にエンジンの回転計を搭載してほしいと言ったのはなぜでしょうか?
エンジンは、変速機を持たないと満足に車を走らせることができない原動機です。そこで、手動の変速機(マニュアルトランスミッション)を使っていたときにはエンジンの回転計が必要でした。AT車が爆発的に普及したあとでも、エンジン回転計を見慣れたユーザーにとっては、ある意味不安を覚えることがあったのかもしれません。
ハイブリッド車にもエンジン回転計はもちろん不要なのですが、一方でエンジンとモーターがどのように動いているかを確認したり、そのためにモニターでエンジンとモーターの作動状況を確認できるようにしているのです。本来であれば不要な表示と言えますけれども。
しかしながら、それがあるからこそ、ハイブリッド車を運転しているというある程度の運転をしている満足感があったり、もしくは、モーターをできるだけ活用する運転操作を習得して、燃費を向上させようという好奇心も出てくるかもしれません。AT車のエンジン回転計も、そのような運転をする人の密かな満足感を満たす効果を得ているのでしょう。
電気自動車でも、加速の際の変速といった変化はモーターでは起きません。EVは変速機を持たないからです。しかしながら、エネルギー消費と回生の関係は、興味の対象になります。そこで、エネルギーメーターのような表示が装備されることになるのです。
◆MTの場合は特に大切なタコメーター

タコメーター、いわゆるエンジン回転計ですが、商用車やモデルによっては下位のグレードには設定がなかったりしていました。最近のモデルには、販売台数の多いトヨタのハイブリッドカーを筆頭に、タコメーターが付いていないモデルも多く、タコメーターがない車も多く出てきています。
タコメーターは、エンジンの回転数を把握するための情報を得るためについています。エンジンの回転を把握することができれば、一般走行やスポーツ走行を問わずにパワーバンドやトルクバンドを維持することに役立てられます。シフトダウンする際に、現在のエンジン回転数とレッドゾーンまでのエンジン回転数の関係を考慮し、エンジン破損に繋がるオーバーレブと言われる、エンジン性能の限界を超えた回転に達することを防ぎます。これがタコメーターが必要な主な理由と言えるでしょう。
マニュアルトランスミッション車でも、タコメーターが付いていないものは、エンジン音やパワーの出方からなんとなく運転はできそうです。現在の車はよくできており、オートマの車であればオーバーレブの可能性があるときには電気的にギヤが落ちずに、オーバーレブすることはありません。このことから、少なからず一般的なオートマ車についてはタコメーターは不要と考えるのが妥当のようです。
つまりはエンジンの性能を最大限引き出すために回転数を把握したいスポーツモデルにはタコメーターが必須としても、一般的なオートマ車であればただのお飾り程度のもので、なくてもいいパーツといえます。
車の好きな人であれば、使い必要が少なくてもエンジン回転数を把握していたい、ただのお飾りでもタコメーターがあれば・・という人もいることでしょう。そんな人にもパーツは後付けすることも可能です。OBD2(オービーディーツー)から車両情報を判断しカプラーオン装着する、という手も考えられます。