フィット 新型 評判はまさに”買わないと損”といえるくらい劇的な変化を感じさせる

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新型フィットが人気爆発しているということのようです。余計なもので飾り立てることなく必要なものだけをシンプルにまとめたフィット。むやみに数値も追うことはなく心地よさを追求したといいます。まさに”買わないと損”といえるくらい劇的な変化を感じさせるモデルになっているのです。

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◆新型フィットの劇的な変化061_o

新型フィットによって最初に目を惹くのは今時珍しい2本スポーク型のハンドルでしょうか。全体的にスポーティさが好まれる中で、世の中では3本スポークが主流なのは皆さんもご存じだと思います。「新型フィットのインパネデザインには2本スポークが似合う」という考えのもと、3本スポークはただの飾りになるということで3本は一切考えなかったといいます。

新型フィットはこの2本スポークのステアリングに象徴される車といえるかもしれません。これまで一世代ごとに新開発されてきたプラットフォームを今回はあえてキャリーオーバーしたという新型フィットのポイントとなるのは「心地よさ」となります。新型車は従来型よりも「さらに燃費をよく」とか、「ちょっとでも広く」という数字上の開発もあってこそといえるかもしれませんが、新型フィットにはそれがありません。

プラットフォームの新規開発や数字を追い求めた開発で必要となるコストをあらゆる面で「心地よさ」というものへ振り切ったのが新型フィットなのです。先代でも広いのに新型でもさらに広げて何の意味があるのだろうかと思う人もいるかもしれませんね。

日本では1.3リッターガソリンと1.5リッターハイブリッドの2機種が用意されるパワートレインのうちハイブリッドの方は新しいものになります。ほぼ日本専用となるであろう1.3リッターの従来型を改良したものと、新たに「e:HEV」と名付けられたこれまでのi-MMDとは違う上級車用の2モーター式の小型車用として登場しました。

満を持して登場といわんばかりの「e:HEV」ですが、カタログ燃費については同じ時期に登場した新型ヤリスと比べると及んでいません。燃費はよいほど優秀であることに変わりないし、その僅かな燃費性能の向上と引き替えに、乗り心地や乗り味、質感、肌触りなどを犠牲にするのならば、新型への改良に何の意味があるのだろうか、ということなのでしょう。

車のほぼ全てにおいて数字では表わすことができない心地よさを優先したという新型のフィットは、運転席から自分の足元が見通せるのも新型フィットの持ち味なのです。ハンドルの中央にあるエアバッグが収まっているユニットにしてもスッキリしているし、リムグリップが細めに仕立てられていることもあり、見た目でも、実際の操作性でもさわやかで軽やかといえます。

2本スポークステアリングに象徴される心地よい開放感は、インテリア全体に貫かれていると思われます。メーターパネルとして7インチ液晶を標準化したことでダッシュボードからメーターフードが消えているし、高い衝突安全性が求められる現代の車において、実際のダッシュ高は絶対値としてはさほど低くはありませんが、上面もメーターフードのないフラット形状になっており、とにかく見晴らしがよく心理的にも爽快なのです。

その前方のフロントウインドウの視界の広さは結構驚きもんです。心地よく癒やし系のデザインがウリというエクステリアですが、技術的な特徴はフィット伝統のワンモーションフォルムを継承したことにあるでしょう。フロントピラーは視界には不利のモチーフなのですが、衝突安全性能を担保するとピラー本来の機能は前から2本目に持たせています。最前のフロントピラーには、フロントガラスを貼り合わせるためだけの機能しかなく、それによってフロントピラーを55mmという極細にすることが可能となったのです。

左右の瞳孔間隔よりも細いものは基本的に死角にはならないといいます。小柄な女性の瞳孔感覚が57mmと言われており、それよりも細い55mmにあえて設定しています。バーチャルでのシステム検証を行ってもこの細さならば人間の目では実質存在しないものということなのです。運転席から無意識にフロントガラス越しに景色を見ていても、前方で約90度という水平視野は、一枚のガラスのパノラマビューと化しています。

この視界性能は、さすがに新型フィットの美点といえるものでしょう。このおかげで室内は驚くほど明るくなっています。

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◆新型フィットのプラットフォーム

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先代からの改良されたプラットフォームはホイールベースをこれまでと変わらずに採用しています。全幅は5ナンバーと変わらないですが、全長と全高も誤差程度の違いしかありません。絶対的な室内容積は先代比で拡大しているわけではありません。その一方で、シートは前後とも新設計をしています。フロントシートは今後のホンダ車にも展開されるものであり、リヤシートは自慢の座面チップアップやダイブダウン機能はそのままに、クッションの厚みや着座姿勢を見直して、椅子としての機能を大幅に向上させています。フラットで固めた先代のリヤシートとは一転して、新型のそれはふわりと身体を包み込むようでいて、ホールド性も向上しています。さらに前席のドライビングポジションもより心地よくリラックスできるように見直されたといいます。

室内容積は変わらずで、ドライビングポジションや着座姿勢と椅子の座り心地を向上させている、となると室内の有効空間が狭くなったのでは!?と考える人もいるかもしれません。そしてそれは正解といえそうです。新型フィットでは乗組員の居住空間を示す各方位の寸法では、先代比で減少しているところが多いです。その代わりに視界やシート自体の座り心地、センターコンソールに備えられているニーパッドに柔らかいクッション素材が選ばれているのです。手触りや心地よくなる工夫をふんだんに盛り込んだものが新型フィットなのです。

数字より心地よさに拘ったということですが、実際に乗ってみるとその素性のよさを体感することができます。走りだしも新型フィットはパワートレインと問わず静かなことが印象的で、これも心地よさの一つなのでしょう。ドアを開けると開口部とドアのゴムシールが2重になっている上に、サッシュやサイドシルの部分などはさらに追加された3重の構造になっているのは、コンパクトカーとして異例の入念さというのを感じます。事実、乗り心地のよさに加えてロードノイズの低さはかなり優秀であるといえます。

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◆新型フィット 注目のe:HEV

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新型フィットのハイブリッドは、オデッセイなどに搭載されている発電用と走行用のふたつのモーターを使用するタイプに変更になっています。合せてホンダではそのタイプのハイブリッドをe:HEVと呼び、ガソリンエンジンは1.3リッターに一本化されています。新しい1.5リッターのe:HEVはエンジンで98ps、モーターで109psを発揮します。燃費の最良値はWLTCモード燃費で29.4km/Lとなります。

注目のe:HEVの作動原理は従来のi-MMDと同じで、フルパワー時を含めて基本的にはエンジンは発電に専念して、モーターが駆動するシリーズハイブリッドとして作動しますが、低負荷巡行時のみ、駆動輪とエンジンが直結されるものです。

1.3リッターのCVTと1.5リッターのe:HEVのどちらも、アクセルペダルを大きく踏み込んだ全開加速時にエンジン回転を敢えて上下させるステップドAT風の制御をするところでしょう。CVTのステップド制御は最近のはやりでもあるのですが、それをe:HEVにも取り入れたというところが真新しさをおぼえます。エンジンをおいしい一定回転域にしておくのが理想であるのですが、新型フィットがエンジン回転を敢えて上下させるのは、エンジン音の上下と加速感のズレを減らして、ドライバーと車が心地よく一体化することを意図したものだからです。

e:HEVの瞬発的なパンチ力は1.6リッター~1.8リッターエンジン相当と言われており、もう少しレスポンスよい加速でもいいのかもしれませんが、実は新型フィットの欧州車は時速180km/hにも達し、このクラスの電動車ではトップクラスの性能を誇ります。

従来型のi-MMDではエンジン直結となった瞬間にそれなりの切り替え感があったようですが、今回の新型フィットではそれはあまり体感できません。エンジンとモーターの心地よい協調はこれまでよりもはっきりとしています。

今回の新型フィットのグレードはこれまでの記号的なものではなく、「ベーシック」、「ホーム」、「ネス」、「クロスター」、「リュクス」といったバリーエーションの豊富さ、パワートレインや駆動方式を問わずに自由に選べるところが嬉しい限りです。これこそホンダが求めた心地よい車選びと言えるでしょう。

この中ではどうやらネスが従来のスポーツグレードに相当するそうですが、それもあくまでもシャシーやパワートレインなどで従来のような走りを表現したものではないのが真新しいのです。体感的な操縦安定性については専用の大径タイヤを装備するクロスターも含めてグレードごとに走りのキャラクターが変わるというものではないようです。

◆新型フィットのe:HEVは重厚なものに

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新型フィットは走りも心地よいと表現するのが妥当かと思われます。タイヤの銘柄やサイズも基本的には先代と変わらずで、今回は限られたタイヤの性能を引き出すことに留意したといいます。その走りは少し前までの、どんな車種、グレードでも姿勢変化が小さく俊敏に走って曲がったホンダとは明確にことなており、路面の凸凹をしなやかに吸収しながら横Gが入るとおだかなにロールして路面にすい付くような感があります。

今回の開発で意識したのはシトロエンのc3というモデルなのですが、新型フィットの乗り味は確かに、そのような、と思わせるものがあります。今回搭載されているe:HEVは静かであり、力強く重厚であります。パワートレインの音だけではなく、エンジンが停止した時のロードノイズもかなり静かであると感じられます。身のこなしも圧倒的に軽快であるとも感じられます。タイヤのサイズはベーシック、ホームが15インチ、ネス、クロスター、リュクスが16インチになっています。

新型フィットには電動パーキングブレーキを全車に標準装備しています。このクラスでは贅沢であろう渋滞追従可能な全車速対応のアダプティブクルーズコントロールも備えています。さらにアクティブクルーズコントロール走行での車線維持やブレーキ制御にまで違和感のない心地よさを配慮したといいます。

◆新型フィット 安心感の高いドライビング

ホンダの屋台骨と言える主力車であるフィットのフルモデルチェンジはホンダにとっては特別なものであるに違いありません。i-MMDの小型化や、レーダーを使わずに構築された新方式のホンダセンシングの採用、ボディやサスペンションも、感性に訴える性能を与えるためにホンダは総力を結集して開発してきました。

新型フィットの開発キーワードは「心地よさ」です。数値性能競争からの脱却をし、人の感性を重視する方向に軸足を置いています。全長は従来型からで40mm長い3995mm、クロスターは4050mmとなります。全幅は従来型と同じで、全高は10mm低い1515mm、クロスターは1545mmとなっています。ホイールベースも変わらず2530mmです。

プラットフォームはキャリーオーバーされており、メカニカル・レイアウトに変更はありません。エンジンを前方吸気/後方排気に搭載しており、前席下に燃料タンクを配置する「センタータンクレイアウト」を踏襲しています。

乗員の配置にも変更はないですが、ドライビングポジションは微妙に修正されています。シートハイトアジャスターの調整量を下に15mm拡大しているのに加えて、ステアリングの基準に比も14mm後方に移動しており、角度を2度立てています。横置きエンジンの場合、ステアリング基準でシートスライドを合せると足首が窮屈になりがちなのですが、新型はそれを解消しています。さらにハイブリッド仕様はブレーキペダルをわずかに低くしており、足首角を小さくしています。

また、シートレールには後傾角が付けられており、後ろにスライドすると高さも下がるようにして大型な体格にも対応しています。一方でハイトアジャスターは、クッション前側を視点に座面が円弧状に動くイメージとなり、小型な人が高めに設定した際、ペダルが遠くなることを回避しています。

サイドシル高は実測で370mmあり、低くなっている一方で幅は170mmと少し広めにとっています。運転席のヒップポイント地上高は、大転子(おしりの横のぷくっとなっているところあたり)基準で約490mmです。シートスライドを合せると、最後端から7ノッチほどでハイトアジャスターは上げない状態で頭上空間は約150mmほどでしょうか。

座ってみての印象は視界が四角い、広いということで、Aピラーが非常に細いために、注視しない限りはその存在は視界から消えて、上下のラインとAダッシュピラーのつくる長方形が、フロントガラス越しの視界のように見えます。フィットはワンモーションフォルムを特徴としているために、衝突荷重を分担するAピラーが太くなり、死角が多くなりがちなのですが、新型のコンセプトとなっている「運転へのストレスの回避」を実現するために、Aピラーを細くしているのです。その太さは小柄な日本人女性の瞳孔感覚である57mmを基準に決められていると言うことで、左右眼の視差によって消えてしまうように設定されています。

ダッシュボードやベルトラインは意図的に直線的に仕上げられているのに加えて、両方のラインの交点にバンパーコーナーがイメージしやすいように位置が決められていたり、ボンネットが視認できないワンモーションフォルムでも車両感覚が把握しやすいように配慮されています。ベルトラインの角度も、消失点に向かう線と平行になるように設定されていたり、車線に沿って走る際に違和感が無いように配慮されています。

ダッシュボード上面中央にある丸い出っ張りは日射センサーで、車両センターの目印になるように微妙に目立たせるなど、数多くの工夫が凝らされているのです。ベルトラインの前傾角が弱くなっているのも改良されています。前傾角が強かった従来型では、後退する際に振り向くと風景と車両の角度が捻れて見えて、位置関係の把握がしにくいという声があったことに対応したものです。リヤクォーターウインドウの切り上げも廃止されており、斜め後方視界も改善されています。

メーターパネルは7インチのフルカラーTFT液晶を標準装備しています。表面にアンチリフレクション加工を施しており、バックライトを約2倍の輝度に高めることで、保護レズとメーターバイザーを廃止しました。視覚的なスッキリ感を高めているのです。液晶面も視線方向と直角に配置するのではなく、10度以上に向けることで、反射光が視線方向に向かわないように配慮されているのです。

輝度の自動調光は、一般的な2段階式から連続可変調光に変更し、ベースとなる輝度を高めていくために、夜間輝度との落差が大きくなり、周囲の明るさによってはまぶしく感じたり、トンネルの出入りなどではドライバーの瞳孔調整が追いつかないことなどから改善を図ったのです。

ダッシュボード上とメーターパネル内に照度センサーを設置し、常に最適な輝度となるように無段階にコントロールされます。調光は瞳孔の応答性よりわずかに遅いタイミングで行われるために、ドライバーは明るさが変わったことにほどんど気づかないくらいでしょう。TFT液晶メーターならば、表示内容はソフトウェアでいかおうにもできるでしょうけれども、新型フィットの特徴は、あえて必要最小限にしていることです。

表示をシンプルモードに設定すると、走行速度のほか、時刻と外気温、シフトポジションのみの表示となります。運転支援システムを起動させるとその内容が表示されますが、こちらも制御状況が分かりやすくなっています。自車アイコンが灯化類の作動と連動するようになっています。

一方で、表示の自由度を活かして方位計やターンバイターン、ガソリン車ならばタコメーター、ハイブリッドならばエナジーフローなど、必要に応じてユーザーが表示設定できるようになっています。表示内容なステアリングスイッチで変更可能で、左スポークのロータリースイッチを回すとコンテンツが表示され、押し込むとそれぞれの詳細が表示されます。電話が着信した場合も、このスイッチで操作できるようになっています。

スマホの充電にはUSBに加えてワイヤレスチャジャーも採用しました。WPC1、2にも対応しており、国産車として初めてUSBポート同等の出力15Wを実現しています。充電出力が高まれば、受電側の発熱量が増え、iPhoneについてはバッテリー温度が45度になった場合受電を停止します。そこで充電器の裏側に電動ファンを設定し、充電赤は冷却風を送風します。さらに金属異物が挟まると、それが発熱してしまうため、充電認証時に相互通信を行い、送電電力と受電電力の差が大きいと異物がある、という判定になります。充電認証しないようになっているということです。

シートはサイズが大きいだけではなく、かけ心地も良いのです。新型用に全面新設計したということで、支持構造をSバネ式から樹脂製マットをワイヤーできる方式へと変更しています。マット式は骨盤を面で支えるために、着座の支持がコントロールしやすく、前後方向の不安定感も払拭できるようになっています。

さらに座面フレームの両脇には樹脂製のインナーカバーが備えられており、これで骨盤を左右から支持します。骨盤を安定させることで、姿勢の崩れによる疲労の蓄積が起こりにくいようになっているのです。

◆新型フィットの収納が広い

収納関連のレイアウトは、片手で持てる程度のものを荷物の置き場として配慮されています。従来までは空いている場所をどのように使うかという考えでしたが、新型フィットではドライバーはどこに何を置きたいのか?という人を中心とした発想を元に設計されています。

クラッチバッグやブリーフケースなどは、助手席においただけではブレーキに転がりやすくなってしまうし、後ろの席においてしまっては手が届きにくいことになります。そこで運転席と助手席の間には、中物を置くために「フレキシブルアタッチメントテーブル」を設定しています。パーキングブレーキが電動化されて、サイドブレーキのレバーがなくなったスペースを有効活用しているということです。

グローブボックスはアッパーボックスと機能を分離しており、運転席から手の届きにくいグローブボックスは、車検証などが入る最小限の容量に一新する一方で、インパネ上部に配置したアッパーボックスはボックスティッシュが収まる容量を確保しています。

シフトノブはハイブリッド車を含めて、オーソドックスなストレートゲートになっています。レバーの基部隠しは樹脂のスライダーから合皮のブーツに変更しました。操作時の擦れる音や走行中のがたがた音をなくしています。

助手席の快適性向上も新型のポイントです。インパネ内部部品の小型化やレイアウトの合理化によって、下側を95mm奥に追い込み、角度も従来型よりも3.5度傾けることで、膝回りの空間を拡大しています。

後席については、サイドシル高は実測で375mm、幅は160mmで床面との段差は約100mmです。センタータンクレイアウトを採用するために、フロアがキックアップしておらずに、足の導線は十分に広く感じられます。

膝前空間は10~20センチはあり、頭上空間は約10センチほどでしょうか。座席下への足入れが窮屈なのは、センタータンクレイアウトのたまものと言えるでしょう。

後部座席も新しく設計しており、バック角が従来より4度寝かされ、上級セダンのような着座姿勢となっています。従来は格納機構のヒンジが乗員の真下にあったのですが、これを座骨と干渉しないように取り付け位置を変更しています。空いたスペースをパッド厚の増大にあてて、アコード並みの座り心地を確保しています。

VDA法によるラゲッジ容量は330Lと、従来より56L減っていますが、それでも競合車よりも50L以上は多く確保できています。しかも減ったのは後席背もたれを寝かせたのと、バックドアの傾斜が強くなったことによるもので、先代で積めていたサイズの荷物は十分に積み込めるということです。

◆新型フィットの新素材

プラットフォームはキャリーオーバーしています。従来型が市販された後に明らかになった弱点を徹底的に潰し込み、時代の進化分も上乗せして新型に相応しいボディに生まれ変わりました。

静粛性の面ではダッシュボードロワの板厚を1.75倍に高めて、エンジンルームからの透過音低減とロードノイズとの共振回避を行っています。ダンパー取り付け部は前後とも改良されており、フロントはアッパーサポートとホイールハウスの結合部を直線かして剛性を高めて、余剰分を薄板化にあてて、高剛性と軽量化を同時に達成しています。リヤダンパー取り付け部は、構造を刷新し、入力分離型のアッパーマウント形状に合わせる形状に合わせると同時に、壁面を二重にして剛性を高めています。リヤアクスルの取り付け部には、左右を結ぶ閉断面のクロスメンバーを追加して、支持剛性の向上を行っています。

アッパーボディにおける技術的なハイライトとしては、極細のAピラーで視界改善のために、それでガラスやガーニッシュの支持構造を成立させるために、アングル材を背中合わせに溶接しました。鋼板には980MPaクラスを使用していますが、前端をロワメンバーから浮かせることで、衝突から約90ミリ秒以降の荷重電タスはAダッシュピラーに任せる構造になっています。このように、前面衝突荷重をメインに支えるのは、前から2番目のAピラーとなっているのですが、2番目のAダッシュピラーとなっていますが、アッパーメンバーからルーフレールにいたる形状は、緩いS字を描いており、屈曲部の応力が増加しがちになります。そこで基部側は稜線の追加や稜線上へのビードの追加、上部は断面の大型化を行い、質量を増やすことなく耐久力を向上させています。

リヤ回りでは、一部が開断面となっていたバックドア開口部とクォーターピラー部を閉断面化し、リヤダンパー入力をしっかりと支える機構としています。こうした対策によって、ボディ剛性は静的な曲げで6%、捩りで13%ほど向上しています。ライトウェイトインデックスは約3%向上しました。

高張力鋼板の使用率は従来型と同等ですが、高強度グレードの使用率が増加しており、980MPa以上の比率が18%に拡大。これにより軽量化効果は9kgに相当します。

強化が進む側面衝突基準に対応するため。サイドシルとBピラースティフナーには1500MPaほどの熱間成形鋼板を使用し、Bピラーのインナーと、その下を左右に結ぶフロアクロスメンバー、上を前後に走るルーフレールセンターには、冷間加工時の延性を高めた980MPaクラスの進化型鋼を採用しています。

鋼板製造時に焼きを入れてフェライト相の中にマルテンサイト相を形成すると、引き張り強さは高まる一方、延性が損なわれてプレス成形性が悪くなります。そこで成分組成と熱処理の適正かを行い、延性と穴広げ成を向上させた新材料を開発、形成の複雑なブイへの適正を可能にしました。これによる軽量化では約1.8kgの効果があったといいます。

空力対策として新しいのは、フロントインナーフェンダーのスリット構造で、バンパーから取り込んだ空気をフェンダー内に導き、前輪の横に放出することで、前輪横の負圧を減らして渦の発生を抑える技術です。空気抵抗の低減だけではなく、操縦安定性向上にも効果があり、欧州車を中心に採用例が増えてきているといいます。

e:HEV仕様は吸遮音対策も充実が派買われており、前後ともインナーフェンダーには不織布タイプを採用しています。エンジンアンダーカバーには、成型して厚さの分布を最適化した吸音材が採用されています。前後ドアピラーの下部には、従来型では塗装工程の熱で発泡する遮音材が配置されていましたが、より確実に充填できる常温硬化型のフォーミング材に置き換えられています。

◆新型フィット i-MMDを小型化

従来型では3系統あったパワートレインは2系列に集約されました。1.3リッターガソリンエンジン+CVTの組み合わせと、1.5リッターハイブリッドシステムの2つになります。ハイブリッドシステムについては、7速DCT方式のi-DCDからインサイトなどと同じi-MMDに変更し、名称も新たに「e:HEV」へと変更になりました。分類上はシリーズ式で、基本的にはエンジンで発電機を回して、その電気をモーターに送って走行します。余剰は蓄電に回して蓄電量が十分になると、エンジンをとめてバッテリーからの電力で走行します。

エンジンと出力軸を直結するクラッチも持っており、高速巡航時のように、走行抵抗と等熱費線図の最高領域が釣り合う領域では、このクラッチを締結します。エンジン出力で直接タイヤを駆動し、電力変換ロスを回避します。実際にはエンジン走行モードでも、発電負荷をかけたり、バッテリーからのアシストを上乗せした方が高効率領域を維持できるような場合には、電力マネジメントを組み合わせて最大効率走行を行います。

最高速は時速175km/hで、同じクラスの電動車としてはトップレベルにあります。このときは直接クラッチは使用せず、発電した電力だけでタイヤを駆動します。バッテリーからのアシストも行わないために、ガソリンがある限り、この速度を維持できます。

電気駆動系は新設計で、Bセグメントプラットフォームのフィットに搭載できるよう、長さ・幅ともに約20%の小型化を行っています。ハイブリッドトランスミッションは、モーター及び発電機の小型化のためにコア積み厚を12%低減しています。積み厚低減によるトルクの低下と発熱に対しては、磁石組成の改良と粒子の微細化によるトルク向上、巻き線皮膜の薄膜化による導体断面積拡大を図り、80kwh/253NMのアウトプットを達成しました。また、最高速性能に関わるローター最高回転数も、ローター側のコア形状改良と磁石を固定する樹脂材料の新規開発でローターへの負荷低減を図り、競合他車より約20%高い13300rpmを達成しています。

従来型に比べて、モーター出力は約3.6倍になっているのですが、扱う電力が増えればパワーコントロールユニットの発熱量も増えてきます。そこで冷却系を水冷化し、搭載場所もバッテリーケース内からエンジンルームに移設しました。半導体にはIGBTとダイオードを一体化したRC-IGBTを採用し、パワーモジュールを従来比で約20%も小型化しています。

リチウムイオン電池を主体とするインテリジェントパワーユニットはラゲッジ床下に搭載しました。PCUややDC-DCコンバーターがエンジンルームに移動したため、中身は電池とジャンクションボックスと冷却ファンのみとなり、容積は約25%縮小。ユーティリティボックスの拡大など、荷室の使い勝手の向上に貢献しています。

◆新型フィットのエンジンメカニズム

・独自の2モーター駆動式ハイブリッド

バッテリー走行によるEVモードと、エンジン発電によるハイブリッドモード、クラッチ直結によるエンジン駆動モードを適宜使い分けるので、以前のi-MMDとは違う印象を受けます。

・熱効率の高い1.5リッターハイブリッド用エンジン

エンジンは1.5リッターのポート噴射方式で1バルブ休止式のVTEC機構を備えています。吸気弁側には電動式のVVTが採用され、遅閉じのアトキンソンサイクルを使用することで、最大熱効率はポート噴射式最高レベルの40.5%を達成します。

・1.3リッターエンジン

1.3リッターエンジンはキャリーオーバーさせています。アトキンソンと通常サイクルを使い分けるもので、吸気弁側にLo-Hi切り替えVTEC機構を装備しており、遅閉じアトキンソンとオットーサイクルを使い分けています。新型フィットの1.3リッターエンジンには手を加えて折らず、触媒の貴金属使用量の削減が行われています。

・大幅に小型化されたシステム

インサイトと同じ1.5リッターエンジンと2モーターのシステムですが、フィットの車格に合せてコンパクト化を実施しました。モーター&ジェネレーターの薄型化や、エンジン吸気系のレイアウトの見直しで、20%以上の小型化を実現しています。

・ステップダウンシフト

ブレーキ操作をきっかけに、ブーリー比をローレシオ側に飛ばしてエンジンブレーキを強める「ブレーキ操作ステップダウンシフト」制御を入れているのは、ヴェゼルやN-WGNと同様です。降坂時のブレーキ操作が減るのに加えて、コーナリング時にもダウンシフトとホールドが行われるため、ストレスなくコーナリングできます。

CVTは油圧系を軽量しおり、アイドルストップのバックアップ用に付いていた電動オイルポンプを大型化し、金属ベルト保持用の高圧を分担しています。機械式ポンプは清掃用の低圧高流量を分担することで常用域での無駄な仕事をなくしています。

・ハイブリッドとガソリン車に4WDを設定

4WDはパワートレインの種類に関わらず、ピスカスカップリング式のものが用意されています。ホンダの電動4WDに対して、バッテリー残量やリヤモーター出力とは無関係に後輪にトルク配分できるメリットとしてあげています。特にハイブリッドは、モーターならではの力強い低速トルクを電子制御によって緻密にコントロールして、前輪のスリップを後輪へのトルク伝達量で適正化します。発進時だけでなく、カーブや交差点でも4WDらしいスムーズな加速と安心感の高いハンドル操作が可能になっています。

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