新車情報2021 トヨタ ヤリスクロスは厳しい欧州からでも高い評価を得ることができるモデルに!

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ヤリスクロスは新型プラットフォームを採用し、走りの磨き込みや洗練されたスタイリングと驚異の燃費性能、そしてサイズを感じさせない荷室の広さとユーティリティなど、クラスでは最後発とも言えるモデルだけあってその中身の充実振りはまさに、ライバルを泣かせるために登場したモデルではないでしょうか?

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◆ヤリスクロス コンパクトSUVの最強ユーティリティ

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トヨタのSUVラインナップの中で空白となっていたBセグメントカテゴリーに新しくなったばかりのヤリスをベースと投入されたヤリスクロス。しかしながら、ベースのヤリスに比べて単に車高を高くした、とかいうレベルのモデルではありません。都会派クロスオーバーとして本気で作られたなんとも言えないくらいの完成度を搭載した一台と言えます。

世界中で人気のクロスオーバーSUVですが、日本と欧州ではとりわけ熱く、今後の成長をかなり期待されているのがBセグメントと言われています。2010年代になって生まれた同じジャンルではありますが、この10年で日本、欧州の自動車メーカーから次々と新規の車種が登場、発表されて、今まさに激戦区という様相を迎えています。

トヨタはC-HRにライズ、RAV4、ハリアーなどクロスオーバーSUVが充実してきていますが、最も再販が期待できるBセグメントにはこれまでラインナップがなかったと言えるでしょう。

そこで満を持して登場してきたのがこのヤリスクロスです。後発組ともいえるのですが、それだけにかなり気合いの入ったモデルとも言えます。

車名が示す通りにヤリスの派生モデルではありますが、ハッチバックで地上高を上げており、SUV風に化粧直ししただけのお粗末な派生モデルではありません。

エクステリアでヤリスと共通するのはアンテナくらいで、あとは完全なオリジナルです。都会的な洗練された雰囲気とSUVらしい逞しさが巧みに融合しており、欧州車のような塊感のあるフォルムはBセグメントらしからぬ存在感を醸し出しています。ボディサイズは全長4180mm、全幅1765mm、全高1560mm、ホイールベースは2560mmでヤリスと基本骨格は共通としながらも全体的に大きくなっています。

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◆ヤリスクロスのパワートレイン

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パワートレインはヤリスでもメインとなっている1.5リッター直3エンジン+ダイレクトシフトCVTのガソリン車と、1.5リッター直3エンジン+電気モーターのハイブリッド車の2種類となり、それぞれにFFと4WDが設定されています。

ヤリスに比べると当然のことですが、車両重量は重くなり、重心は高くなりますが、それが走りにどんな影響がでるのでしょうか?

試乗でステアリングを握った時に感じると思われるのが、ハイブリッドのFFでは、発進はモーターのみでほどよいところでエンジンが掛かってくれることがわかるでしょう。

ここでハッと気づくのがヤリスよりも静粛性が高いということです。SUV化していることにより僅かにエンジンが遠目に搭載されていることや、遮音性も高まっているといえます。EV走行からエンジン始動したときの振動や前後への揺らぎなどはほぼ感じないと言ってもいいほどで、トヨタのハイブリッドシステムが熟成されている、され尽くしていると言えるのが感じられるでしょう。

50km/h程度の巡行で、アクセルを1/3ほど踏み込んで加速してみましょう。するとレスポンスのよさが感じられて走りに対して楽しく感じることがありますよ。乗っている感じでは背中を押されているような、スッと動く感じで、ドライバーが望んだトルクがスムーズにわき出てくれることでしょう。

以前の1.5リッター直4ハイブリッドはエンジン回転数が高まってから遅れて加速がはじまる感覚なのですが、それとは別次元でドライバビリティは長足の進歩を遂げていると言えます。

ダイナミックフォースエンジンは高効率なだけではなくレスポンスにも優れており、ニッケル水素からリチウムイオンバッテリーへ換装したハイブリッドシステムも、またパワーが高まっているので、電気モーターの反応も良くなっています。加速時にエンジンを回す頻度も下がっているからなおのこと静粛性が高く感じられるのでしょう。

高速巡航時に、100km/h前後からの加速を試してみましょう。するとエンジン回転数はそれに相応して音も大きめに帰ってきますが、4000rpm程度での加速は力強くなります。素早く追い越したい場面でもスイスイと追い越しができるくらいです。少なくとも120km/h程度までは加速に不満を感じることはなさそうです。

電気モーターの恩恵で低速域でのトルクはディーゼルエンジンのように太くなっており、ガソリンエンジンだから高回転まで元気に回ってくれます。さらに、今では不得意であったドライバビリティが大いに改善されており、燃費性能は圧倒的に高くなっています。バッテリーEVやPHVといった外部充電車を除いたパワートレインの中で、トヨタのフルハイブリッドは一つの究極とも言えるもので、世界でも類を見ないほど完成度が高いと言ってもいいくらいです。

4WDに乗り換えても印象は同じで、Bセグメントとしては静粛性に優れており、常用域では頼もしく、レスポンスがいいので一体感のある走りが楽しめるでしょう。ですが、アクセル全開での走行については重量増の影響もあることがわかります。

ヤリスクロスのボディはヤリスに比べて約100kgは重くなっており、ハイブリッドの4WDはリヤサスペンションがダブルウィッシュボーン化されたこともありFFよりもさらに100kg近く重くなります。パワーウエイトレシオがもろに効いてくるサーキットの登り区間ではそれが体感されることがあるでしょう。思ったほど速くはないと感じます。

常用域のトルクは十分以上でレスポンスに優れていますが、乗員も荷物も満載で高速道路の上りや険しい山道では少しもどかしさも感じるかもしれません。ヤリスよりもリヤモーターの稼働速度が高められ、滑り安路面での駆動力が強力なトレイルモードを持つのがSUVらしい魅力となるヤリスクロスのE-Fourですが、あまり必要性を感じないのであればあえて、FFを選択するのもアリでしょう。

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◆ヤリスクロス ガソリン車は回転数を回せ

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ガソリン車についてはダイナミックフォースエンジンのレスポンスのよさがある上に、軽量なのでスポーティな印象です。ハイブリッドほどには低速域のトルクは感じないものの、軽さを武器に素直に加速していき、いざ、アクセルを踏み込んだ時は高回転型となり、最高出力はハイブリッドのシステム総合を上回る120psを発揮します。しかも50kgほど軽いのでそれも当然と言えるのかもしれませんね。

発進用ギアを持つダイレクトCVTは低速域の効率向上とレシオカバレッジ=変速比幅の拡大が主となっており、その名の通りダイレクトなフィーリングも特徴です。発進時からそれは感じることができるようで、強めの加速では有段ギアのようにステップ制御されるからCVT特有の間延びの感じなものはありません。

ATやDCTと遜色ないスポーティな雰囲気なのです。キックダウンスイッチまで踏み込んだ本当のアクセル全開では最高出力発生回転数に張り付き、最大限の加速を引き出してくれます。登り区間でもグイグイと上っていくのが感じられハイブリッドシステムがいかに改良されているかがわかるでしょう。

ヤリスと同じく新世代のGA-Bプラットフォームはヤリス比で約100kg増となるヤリスクロスの重量にもしっかりと対応されています。ヤリスに比べると重心は60mmほど高くなっているのですが、その事実ドライバーに不安を感じさせることはないでしょう。

◆ヤリスクロス ハンドリングは軽快に。

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ハイブリッドZは18インチの大径タイヤを難なく履きこなすといえるもので、バネ下の重さなどを意識させません。もしコーナーでステアリングヤリスほどキビキビとしているとは言いがたいですが、SUVらしくほどよいゆったり感もあり好ましい走りです。

それでいてヘアピンのようなコーナーはステアリング回りを含むフロントの剛性感の高さも感じられ深い舵角に対しても正確かつ頼もしい雰囲気を漂わせながらグイグイと曲がっていきます。さすがにロールはするのですが、その量としては多くはなく、ゆっくりと進行していく感じもあり安心感があります。

絶妙なところと言えるのが前後バランスで、リヤが徹頭徹尾粘ってくれて、フロントの許容量の範囲内だけで旋回しているというわけではなく、リヤもスッと回りこんでいきます。

超高速活きでの直進安定性を重視したドイツ車ではなく、アルプスのワインディングロードを気持ちよく走れるフランス車やイタリア車に近いフィーリングと言えるでしょう。それも良くできたホットハッチに近いかもしれません。

ヤリスほどにキビキビ感はありませんが、基本的には落ち着いており安心感が高いものの、非日常のサーキットで追い込んでみると実に奥深く、クルマ好きにはこのハンドリングが楽しささえ感じることでしょう。

これほど高度なシャシー性能の持ち主というヤリスクロス。GA-Bプラットフォームのポテンシャルはかなり高いとみていいでしょう。

ハイブリッドのFFと4WDを比べて見ると、限界に挑戦してテールがスライド気味になる時には、4WDのほうがリヤが重いこともあり少し動きが速い感じになります。もちろんVSCがあるんで安心なのですが、安心のためにはもう少し早い段階から穏やかに制御が介入してきた方が好ましいと言えるでしょう。

ですが、これは特殊な場面とも言える物で日常活きでは4WDのどっしりとした乗り味が印象的とも言えるヤリスクロスですので、Bセグメントとしてはクラス以上の安心感があることは間違いありません。

ガソリン車はシャシー性能でも軽快感が魅力です。ステアリング操作に対するノーズの動きはシャープであり、ヤリスほどではないにしろキビキビとした表現が似合うくらいです。ロールやピッチングが収束するのも早いのでコーナーの連続をよりリズミカルに走れて楽しいと感じます。

ヤリスクロスは相当に高い快適性を持っていることがわかります。しなやかなストローク感や上下動の収束の早さ、コーナーでの適度なロールと量と早さ。すべてがBセグメントとは思えないほど上質な動きをしており、快適性はクラスでも随一といえるほどでしょう。

ほどよく穏やかで、落ち着いた乗り味を求める人には好ましい性格をしているのですが、速度や負荷が高まったとき基本的な運動神経は驚くべき性能を発揮するくらいの高く、図太くも感じられます。

快適性とスポーティさの両立は多くのモデルで謳われているところですが、ヤリスクロスはまさに高いレベルで実現されているということが嫌と言うほどわかります。

その上でハイブリッドとガソリン車ではキャラクターが明確に分かれており、ハイブリッドは重厚感に魅力が溢れているモデルで4WDではさらに濃くなります。ですが、タフな場面では加速力はFFに軍配が上がるなど、ガソリン車とにかく軽快といえ、多少の重量増となっても活発さは失われないでしょうし、RAV4で採用されているダイナミックコントロール4WDなので悪路走破性の高さにも期待できます。

マッド&サンド、ロック&ダート、ノーマルと切り替えれば快適な制御となるのですし、マルチテレインセレクトなので、EASYに性能を引き出せるほどでしょう。

軽量・高剛性なことに加えて、重量配分を突き詰めて、低重心でもあるGA-Bプラットフォームの優秀性は、重く、重心が高くなりがちなクロスオーバーSUVだからこその恩恵が大きくあります。走りの性能が求められる欧州において、多くの実力派ライバルを相手にすることになるヤリスクロスですが、高い評価を得ることは間違いありません。

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