トヨタEV戦略がすごい!スバルや他の業界と協力して進めるビジネスモデル

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トヨタは12月にシーポッドを限定発売しました。EVの新たなビジネスモデルに向けて構築するために普及させることで体制づくりを一層強化し、2022年には個人への本格販売に踏み切ろうとしています。今までの沈黙を破るかのようにEVへの開発を劇的に変えてきたトヨタですが、これからEV市場に向けての大きな転換をしていくように感じます。

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◆新車情報2021 トヨタEV市場に本格的に割り込む

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これからトヨタがEV普及のためにやることはたくさんあるといいます。車両の開発はもちろんですが、電池の安定的供給や耐久性能の向上、使用後のリユースなどへの備えなどなど。トヨタは新しいビジネスモデルの構築などしっかり対応できる体制づくりを着々と進めてきています。

トヨタはEVとしてかなり出遅れているということがよく言われてきたのですが、実際はどうなんでしょうか。欧州ではかなり伸長しているEV市場ですが、例えば、ドイツのフォルクスワーゲンが初となる専用設計の量産電気自動車であるID.3を発売し、さらに、BMWもiXを発表するなど相次いで新型のEV車を登場させています。

販売実績を見ても、コロナ禍で欧州の自動車販売台数は低迷しているとされていますが、EV市場は成長しているということが示されています。次世代の環境車両はEVに任せておけばいい、なんて雰囲気もありそうです。

欧州における乗用車販売台数は2020年1月から9月までで、前年対比で約30%という減少になっています。これはかなり大きな落ち込みといえるのですが、EVとプラグインハイブリッド車のシェアについては2020年を通して、年始は7%ほどだったものが10%くらいにまでシェアが広がってきているということが言われていました。2019年にはたった4%ほどだったことを考えると、大きな躍進といえます。

その中でも販売台数を伸ばしているのが欧州メーカーのEVで、ルノーのゾエでも4月から9月の販売台数が4万3000台ほどで、月の平均でいうと約7000台というかなり好調といえるものがあります。

フォルクスワーゲンのID.3についても9月の納車が始まって月に8500台ほどの販売がされるなど、注目度が高まっているとともに、販売台数も順調に上がってきているということがいえます。

そして日系の自動車メーカーは、ホンダが初めて量産EVであるホンダeを登場させました。それでも4月から9月の販売台数は1500台ほど、そしてマツダ初の量産EVであるMX-30は、ホンダと同じ期間で1700台ほどということにとどまっています。

実は日経の自動車メーカーはEVでは先発組とされていたのですが、欧州市場ではなかなかその存在感を示せていないのが現状です。

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◆新車情報2021 EVの販売が出遅れている日系自動車メーカー

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このような話の中から、日本の自動車メーカーはEVで出遅れているということが言われているのですがそこまで欧州車が販売好調といえるワケには、欧州では今EV販売は補助金で支えられているから、ともいえるかもしれません。

ドイツでは2020年7月から2021年の末までの期限付きで、4万ドル以下のEVの補助金をこれまでの3000ユーロから6000ユーロに倍増するという政策が導入されてきました。この6000ユーロに加えて、メーカーの負担する補助金が3000ユーロあり、合計で9000ユーロあるということになります。日本円にして実に110万円ほどになります。結構手厚い補助金といえますよね。

このために、エンジン車との価格差がほぼなくなるといえるため、EVの維持費の安さや整備費の低さも相まって販売が伸びているということなのです。ホンダeとマツダのMX-30は航続距離が200㎞程度ということで欧州の競合車に比べると結構短いということ、エンジン車のようには使えないということが販売を伸ばすことができない要因とされます。

ですが、補助金政策は長続きしない可能性があります。たとえばドイツの国内自動車市場は全体で約360万台ほどなのですが、このうち10%でもEV車になった場合36万台となります。6000ユーロの補助金が出るということを考えると、21億6000万ユーロとなり、日本円にして2700億円ほどの補助金を出すことになります。

今後EVの販売が伸びていくことがあれば、その補助金も増えていくわけで、そうすると2022年以上には同じくらいの補助金が支給されることはまずありえないだろうと考えられます。EV販売はそのまま失速する可能性もあるということですね。同じように中国でも2019年にEVに対する補助金が半減したことで、その販売が急激に減少しました。

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◆新車情報2021 EV普及にはCO2排出量削減は絶対必要

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EVを導入すると同時にCO2の排出も削減しなければならないという目標が各企業にはあります。そのために電動車両への期待が高まっているといえます。電動車両のうち、走行中にCo2を排出しない、ゼロエミッションヴィークルについてもトヨタはさまざまな取組を実施していのです。

EV普及に向けてトヨタがこれから取組をしていくことは、協調することで、多くの方々と仲間になり、新しいビジネスモデルの構築に向けた取り組みを推進していく、ということです。

具体策は3つあり、1つ目は超小型EVを活用したビジネスモデル構築にまずは日本で挑戦していき、2つ目に、中国、アメリカ、欧州などのEVの市場ができつつある地域に向けてさまざまなタイプのEVを効率的に開発していくこと、3つ目は商品力向上のキーといえる電池について、高性能や特に劣化しにくい電池にこだわり開発、さらに電動車の急速な拡大に対応するために、世界の電池メーカーと協業して供給体制を整備していくということになります。

◆新車情報2021 トヨタのEVを普及させるためのビジネスモデル

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世界の主要なEV市場について、2018年時点では中国が圧倒的に多い状態となっています。当時全体としては121万台のEVが販売されていましたが、そのうち半数以上は中国、ついでアメリカ、ノルウェー、ドイツ、フランス、日本、カナダと続きます。どの地域も政府や自治体からの規制や補助金などのEV奨励策のもとで市場が作られているのが現状でした。ですが、トヨタとしてはその政策に頼らなくても、従来のクルマとそん色なく選ぶことができる、普及できるEVを早急に準備していなかければならないといいます。

トヨタがEVの普及をどのように進めていくのかというと、単純にEVを開発製造し、販売店へおろし、ユーザーに届けるという従来のビジネスモデルにこだわらずに、社会に役に立てるにはどうしたらいいのか、ということを考え、トヨタと志を同じくする仲間を募り、新しいビジネスモデルを創っていくということにあります。

・トヨタのEV普及におけるビジネスモデル

耐久性の高い高性能な電池で商品力を向上することをはじめとして、製造から廃棄までEVおよび電池を最大限に活用し、普及における課題に対応するとしています。

具体的には、販売に加えてリースも充実させ、確実に回収し、ユーザーが使ったあとの電池の状態を査定し、その上で中古車として流通させたり、電池を補給部品やクルマ以外の用途も含めて再利用できるようし、電池をしっかりと使い切るということ。

さらには、ユーザーに安心して利用してもらえるように、充電サービス、保険などの周辺サービスもEVに最適なものを整備していくということです。このビジネスモデルをさまざまな分野のパートナーと一緒に作っていくということを考えているのがトヨタです。

・トヨタが超小型EVを展開するワケ

トヨタが超小型EVを展開していく中で、ユーザーのアンケートといいますが、実際にどのようなものなのかをヒアリングしています。

・毎日長い距離はならない
・買い物・病院など近所の用事を不自由なくできる
・普通のクルマは乗りこなせるか不安
・乗るときは一人か二人
・乗りたいときに乗れたら十分で家に持っていなくてもよい
・何年乗っても新車の時と同じくらいの航続距離があればいい
・訪問先でも駐車場に困らない大きさであれば便利
・誰もが安心して自由に移動を都市部でも山間部でもできるように

この中で、EVは小型であること、近距離や法人利用に新たなビジネスチャンスがあるのではないかということなのです。

これは免許の取立ての若い方、高齢の方、訪問巡回のような法人利用であったり、都市部、山間部などの地域に即した安心かつ自由に環境の良い移動手段を確保したいと自治体の方や、多くのユーザーから要望があったといいます。その中で、EVは比較的サイズが小さく、移動距離の短い移動体として、ビジネスチャンスがあるということが言えるのです。

超小型EVやこれから出てくるであろう歩行領域型のEVが果たす役割として、すべての人に移動の自由を提供できるという実現に向けて、さまざまなユーザーのニーズにきめ細かく応えることができるように安全・安心な移動の提供をしていくとしています。

◆新車情報2021 トヨタが目指すEVのグローバル展開

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そしてトヨタのグローバル展開のEVについてですが、十分なバリエーションを揃えること、効率的な賢い開発を行い、リーズナブルな価格で提供することが挙げられています。

その種類としてはミディアムセダン、ミディアムクロスオーバー、ラージSUV、ミディアムミニバン、ミディアムSUV、コンパクト(ダイハツ、スズキと協業?)と、この6つの分野で展開をしていくとしています。

専用のEVユニットであるe-TNGAをスバルと共同で企画しており、フロントおよび、リヤのモーターユニットやフード内のレイアウト、前輪に対するドライバーの位置、電池の幅などは固定し、ホイールベースや電池の搭載量、オーバーハングなどを変えます。このような固定部位と変動部位を決めて複数のバリエーションに対応していくようです。

モーターやパワーコントロールユニットなどの専用EVユニットもスバルと共同で企画しており、数種類のモーターを食い合わせることで必要とされる駆動方式と動力性能に優れたものを柔軟に対応していきます。

トヨタは1300万台という累計販売台数を誇るハイブリッド車があります。これをEVにも応用していきハイブリッド開発で培ったトヨタの車両電動技術を電動化システムを効率の良さにいかしていきます。

一般的に電池の容量が大きい方がたくさんのエネルギーをためることができ、ハイブリッド車の燃費向上に有利になります。ですが、電池の容量が大きければ大きいほど重くなり搭載スペースも必要で、さらに値段も高くなります。トヨタのハイブリッドシステムは他社のシステムよりも電池容量が小さく、システムの効率がいよく燃費がいいということがわかっており、これは電池やパワーコントロールユニット、モーターと効率的に電力を出し入れして使っていることが証明されており、効率のいいEVを作ることにつながります。

◆新車情報2021 トヨタ動く

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2020年は小型EVが次のステップへ進んだ節目といわれています。それはホンダeの登場とトヨタのシーポッドが発売されたからです。2021年には各自動車メーカーが電動化の波にのり、日産では軽自動車クラスのEVを発表されるとも言われています。近い将来に来るであろう、スマートモビリティ社会であったり、クルマの電動化社会に向けて今が大きな転換期にあると考えられます。

この、スマートモビリティ社会ではEVの普及に関して、地方などの過疎化が進行しているところに期待が寄せられています。

2020年12月に登場したトヨタのシーポッドな発売時点では、EV普及に向けて検討をしてきた法人や自治体に向けて限定的に発売されたものです。2022年には個人のユーザーに向けて本格的に販売をしていくということを話していますが、まずは2021年シーポッド投入で得た知見や技術を活かしていきたいという考えでしょうか。

今後のスマートモビリティ社会、そしてEV普及から見てみると、小型EV車は素晴らしく出来はいいですが、普及しづらいところもあり、トヨタのシーポッドなどは移動としてはかなり限定されていることから、都市部を中心に活用される機会が多いかもしれません。

コロナの影響もあり、2022年くらいから本格的にEVの普及が進む可能性がありますが、2021年の夏には日産の電動SUVであるアリアが登場するなど、早ければ2021年夏にも、何かしらの動きがあるようにも思われます。

今後の展開としては、各社スマートモビリティ社会やEV普及において、小型のものを中心としたモデルの開発であったり、価格的には100万円台、200万円台前半での登場ということであれば、これからのEV普及に大きな存在感を示すことができるかもしれませんね。

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