わくわくゲートを廃止して新たな門出となった新型のステップワゴン。なぜか不評とも言われていたわくわくゲートですが、コストなどかかりすぎることを考えるとどうしても廃止せざるを得ない機能であったのかもしれません。ヴォクシーやノア、セレナなど群雄割拠となっているMクラスミニバンの中にあって、その存在感を示すことができるでしょうか。
こちらの記事に書かれている内容は・・・
◆新車情報2022 ステップワゴンの不評だったもの
2022年に突入してから各自動車メーカーから大きく刷新されているミニバンですが、ステップワゴンやノア、ヴォクシーを中心に話題になっています。1996年に登場したステップワゴンはミニバン市場を開拓してきたパイオニア的存在でもあります。まさに牽引してきた存在といえるでしょう。
そのステップワゴンが6代目となり、大きく改良されたのですが、一番目につくのは、リアゲートに搭載されていた「わくわくゲート」の廃止ではないでしょうか。先代モデルであった5代目に搭載されていたわくわくゲートの使い勝手は用途によっては、かなり使えた機能だったのですが、一体なぜ廃止されてしまったのでしょうか?
5代目のステップワゴンはホンダがかなり頑張って改良したクルマでもありました。ですが、ホンダとしてはいまいち市場の反応を取ることができなかったといえるでしょう。結局のところ、2021年の1年間で販売された台数は39247台でした。
ライバルであるノア、ヴォクシー、セレナの販売台数は、まずヴォクシーが70085台、セレナが58954台、そしてノアが44211台でありました。この中では断トツのビリといえます。
ノア、ヴォクシー、セレナ、ステップワゴンはMクラスミニバンといわれているものですが、そのミニバンよりも多く販売されていたのが、Lクラスミニバンのアルファードです。高級ミニバンとも言われるアルファードが売れ筋といわれているMクラスミニバンを抑えて95049台という圧倒的台数でミニバンクラスの中ではトップとなったのでした。
ミニバンの中にもLクラスミニバン、Mクラスミニバン、コンパクトミニバンとカテゴリーは分かれていますが、ホンダのステップワゴンはフリードというコンパクトミニバンがあります。このコンパクトミニバンのフリードも69577台となっており、ステップワゴンはカテゴリーは違えど、フリードよりも売れていないということになってしまったのです。
◆新車情報2022 Mクラスミニバン戦国時代到来
2022年はMクラスミニバン戦国時代といわれています。先に登場したステップワゴン、そしてノア、ヴォクシー、せらには日産のセレナも新型が登場するといわれています。
ホンダのステップワゴンはその中でもシンプルにできたクルマであるといえます。5代目のステップワゴンの売れ行きはホンダとしては思わしくなかったということなのですが、新型となった6代目については、e:HEVも設定し、走りにもかなり期待できるものであるし、燃費も少しよくなった感じです。
ミニバン戦国時代を生き残るための策としてわくわくゲートが廃止になったということであれば、その理由はいったいなんなのでしょうか?
使ってみればわかるわくわくゲートですが、ボックス型の最大の弱点といえば、車を壁などにぎりぎりにつけてしまうと、大きく後方に跳ね上げるリアドアはどうしても使いづらい。そのために横開きにしたわくわくゲートは想像の上をいった仕様だったのです。
使ってみればわかる便利さ、をもつステップワゴンのわくわくゲートですが、不評な理由としての一番の理由は、「デザインが左右非対称であった」といわれています。リアデザインとしては確かに不自然というか、変なデザインと見れてしまうところもありますが、購入するためには、わくわくゲートを搭載したリアのデザインは”良く”は映らなかったみたいです。
インターネットなどの反応を見てみると、わくわくゲート自体は購入されたユーザーからはその便利さ故に評価の高いものでした。購入を控えたユーザーについてはデザイン的な部分や車体剛性などが問題であったとも言われています。ステップワゴンを現役で乗っているユーザーから見ればわくわくゲートは便利の一言に尽きるようです。
結局のところ、廃止になると擁護の声が増えてきたりしているのも事実です。販売しているときにもっと購入されてもよかったと思うのですがね。
メーカーとしてはコストもかかりすぎ、リコールは出る、重量増による耐久性にも疑問がある、開発した割には販売数が振るわないとなると、やっぱり廃止にしてよかったのかもしれません。
◆新車情報2022 ステップワゴンの標準装備
新型のステップワゴンには先進技術など様々な機能が標準装備されていたり、オプションで付けることができます。それは家族みんながストレスなく過ごせるようにするためであったり、運転する人はもちろんですが、そうでない人も、ひとつひとつの動作を快適にして、自由に使えるアイデアを取り入れています。
新型のステップワゴンにはパワーテールゲートというシステムが搭載されています。これは背が低い人でも手が届く位置にぴたっと止まることができる開度を”記憶”することができるシステムです。
開閉操作は手動もしくはスマートキーからすることができ、後方に障害物がある場合には任意の位置に止めることができます。さらに
・静電スイッチに指先で軽く触れるだけで開閉できる世界初の静電タッチ式両側スライドドアを標準装備。
・ピラーに設置したスイッチを室内ハンドルと使い分けて、スライドドアが開いているときも閉じているときも2列目シートがどの位置でも、無理なく開閉操作ができる。
・PM2.5などの微笑粒子物質を検知しフィルターで空気を浄化するシステムを標準装備。
◆新車情報2022 ステップワゴンにインテリア
フルモデルチェンジとなったステップワゴンですが、室内空間も大きく変わっています。
新型のステップワゴンの室内は自由度がかなり大きくなっており、運転をサポートする視界やクルマ酔いをしにくい空間づくりなどこだわっています。
・座った瞬間に運転しやすいと感じられる見晴らしのよさ、運転時の目印になるようにフロントフードが見える範囲にもこだわって開発。
・右左折時、歩行者の存在に気づきやすいようフロントピラーの形状やドアミラーの取り付けかたを工夫し、広い視界を確保。
・どの席からも抜けのよい視界と、水平を感じる基準線、そしてクルマ酔いの原因となる目線のブレと姿勢崩れが起こりにくい空間。
初代から、現行ハイブリッドまで、23年間ステップワゴンユーザーから言わせると、各世代ごとにコンセプトに納得しながら乗り継いでいる人は、ステップワゴンはカジュアル、そして手軽に街乗りから遠出まで複数人数で対応できるクルマであると思います。
時代に即した安全装備は必要ですが、それ以外はできる限り省略した値段を抑えたクルマの方が多くの支持を集めると思われるのです。
◆新車情報2022 ステップワゴンのe:HEV
2モーターハイブリッドシステムであるe:HEVで伸びやかな加速と静かに走る快適性を実現しているステップワゴン。モーター走行を中心に、さまざまなドライブモードを最適に使い分けるので、燃費が良いだけではなくホンダらしい走りの楽しさが味わえます。
先代モデルにも搭載されていたe:HEVですが、燃費性能はよかった、という声が結構多いです。燃費性能もよくこのようなハイクオリティな性能には驚かされるばかりですが、通常は電気モーター駆動ですが、高速では効率のよいエンジン走行に切り替わります。
モーターとエンジンを適切に組み合わせることで、静粛性のある快適な走りと伸びるような力強い加速の両方を実現しました。
e:HEVはエンジンと2つのモーターの配分調整で自動でモードを使い分けてくれるエンジンで、搭載されているモードは、バッテリーからの電気によりモーターのみで走行するEVドライブモード、そして力強い加速時にエンジンがモーターをアシストするハイブリッドドライブモード、エンジンの力のみで走行するエンジンドライブモードの3つが設定されていました。
新型のe:HEVにも同じくEVモード、ハイブリッドモード、エンジンモードが設定されており、各モードを簡単に説明すると、
・EVモードはバッテリーからの電気によりモーターのみで走行。エンジンを止めて走るのでガソリンを使わず電気自動車として走行を楽しむことができる。
・ハイブリッドモードはエンジンの力で発電した電力で走行用モーターを駆動し、加速時にはバッテリーからの電力を合わせて走行用モーターで走り、よりパワフルな加速が楽しめる。
・エンジンモードはエンジンの得意領域である高速クルーズ時にエンジンと車輪を直結し、エンジンの力で走行。燃費を抑えながら高速走行ができる。
としています。
ステップワゴンのハイブリッドはメインがモーターとなるために走行時の音が非常に静かです。夜間の走行や車内での会話にも適しており、少し大声を出すと、かなりうるさく聞こえるので注意が必要です(笑)。
やはりユーザーの声としては予想以上の仕上がりというのが結構多いです。先代モデルのステップワゴンは登場時に1.5リッターのダウンサイジングターボのみでしたが、市場の要望はハイブリッドということもあり、やっと設定されたのがハイブリッドモデルでした。
方式はともかく、このエンジンシステムは実燃費がとてもよく、実際に走ってみると、平均して20㎞/Lくらいの性能は十分に引き出させることでしょう。EV領域を積極的に使うことができるので実燃費も期待できるというわけです。
実際に走らせてみても約2000㎏という車重のボディですが、発進加速はスムーズで、アクセルコントロールによってモーター走行の領域をうまく使いエコドライブが可能なのはもちろんですが、坂道ではエンジンとの協調制御で力強く加速してくれます。
さらに電池が十分に充電されていれば専用のスイッチを押すことでEVモードでの走行も可能で、高速道路や山道でも期待以上の燃費性能を発揮することでしょう。モーター自体にトルクもあり、総じてドライバビリティは高いレベルにあるといえます。
ライバルといわれるトヨタのノア、ヴォクシー、セレナに比べると、アダプティブクルーズコントロールに見劣りしてしまうところはありますが、装備もステップワゴンの方が価格差以上に充実しているということもあり、この点ではライバルと比べれば多少アドバンテージがあるかもしれません。