2015年2月末に登場したばかり
のマツダCX-3が早くも
年次改良を受けた。
2015年12月24日に
施行されたというので、
新車デビューから10か月あまりで
改良を受けたことになり、
異例に速い進化版の投入に
踏み切ったかたちとなった。
マツダは、
デミオからアテンザまで
メジャー系6車種すべてが新型と
なって一区切りついたところで、
ユーザーのマツダ車に対する
興味が損なわれないように
今後もどんどん改良モデルを
投入していくとしている。
今回のCX-3も、
要望が高く実現可能なメニュー
を早期に盛り込んだ結果だという。
注目される改良メニューは
3つある。
エンジンのドライバビリティ向上と
サスペンションセッティング変更
による乗り心地の向上、
そして、
ブラックレザー仕様の内装を
導入するなど質感を向上させた。
まずはエンジン。
従来通り1.5L直4の
スカイアクティブDターボエンジン
であることに変わりなく、
装置の変更や追加なども一切ない。
ただ、
コンピュータのマッピングを
変更して市街地での
ドライバビリティの向上を図った
のだという。
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具体的には
『DE精密過給制御』と呼ばれ、
主にEGRのコントロールを
細かく精密に行うことで
スロットルペダルに
忠実でドライバーの意に添った
レスポンスが発揮できるような
プログラミングが採用されたのだという。
主として市街地での低速走行、
ストップ&ゴー、
前車追従走行などでエンジンの
レスポンスを高め、
ヘジテーションを少なくして
違和感ない走行フィールとなっている。
その効果は大きく、
日常的な市街地走行で
クリーンディーゼル特有の
スロットル踏み込み時の無反応領域が
解消して扱いやすいさが格段に
向上している。
吹き上がりもストレスを感じさせず
全域でスムースになり、
パワーフィールも向上したようだ。
燃費や排気ガスの性能は
一切変わりなく、
ドライバビリティの向上のみが
果たされている。
続いてサスペンションセッティング。
こレは乗り心地の向上と
搭乗者の走行イメージに反しない
車体ムーブメントをめざし、
人馬一体感をより高めている。
その手法は前後の
ショックアブソーバーの
ピストンスピード微低速域の
減衰力を弱め、
高速域は逆に強めたほか、
スタビライザーを弱めてロール角
をフロント部で8%、
車体全体で3%増加させている。
これで路面突起通過時の
振動抑制が向上し、
乗り心地と自然な乗車フィールが
実現できたという。
確かに路面からのハーシュネスは
低減されているが、
コ―ナーでのロール角が増え、
対角ロール増加による
後内輪リフトが増えている。
直進時のステアリングセンター
付近の操舵反力が軽減されて、
軽い操舵フィールとなっているが、
直進安定性面から見ると
ややナイーブな印象だろう。
もともとAWDモデルは
どっしりとした安定感のある
直進性が美点だった。
逆にFFモデルはリヤがヒョコヒョコ
と跳ねる印象で落ち着きがなかったが、
今回の改良で統一された
操舵フィールになったといえるだろう。
CX-3の販売数では9割を占める
というFFモデルの市街地ユース
には好ましい特性といえるが、
AWD仕様と高速コーナー領域での
マッチングは、
従来モデルの方がよかった
といえるのかもしれない。
FFモデルは新仕様に、
AWDモデルは従来仕様+
新型リヤダンパーの組み合わせ
がチョイスできればベスト
なのだが、と思ってしまう。
その他、
要望の高かったブラックレザー
の内装が追加され、
すでに販売面で大きく寄与
しているという。
また前席サイドウインドウの
ガラス板厚を0.5mm厚くし
遮音性を向上させたことで
耳回りの雑音が大幅に低減
されていたのは好印象だ。
今回の改良では外観的な変更は
いっさいなく、
制御とセッティング変更だけで
走りを変えている。
これは部品代がかからないので
価格も据え置くことができる。
マツダではこうした質を重視した
改良を続けていくというから
今後も楽しみだ。
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