第1章:時代は“懐かしいのに新しい”へ:90年代スポーツカー復活の波
気がつけば、街中で“どこか見覚えのあるカタチ”を見かけることが増えた。角ばったボディに、低く構えたフロントノーズ。あれ? これって昔の……? そう思ってよく見たら、エンブレムには「SUPRA」や「Z」の文字。90年代の名車たちが、次々と現代のスペックとデザインをまとって帰ってきている。
それは懐古主義ではない。今のスポーツカー市場には明確な“熱”がある。
トヨタのスープラが華々しく復活し、日産のフェアレディZが「伝統と革新」をテーマに新章を刻んだ。そしてホンダはシビックタイプRで“走り”の本気を再提示してきた。これらは、ただ昔のデザインを焼き直しただけではない。エンジニアとデザイナーたちが「今の時代に通用する走りと個性」を真剣に突き詰めた結果だ。
この流れの裏には、いくつかの共通点がある。ひとつは、90年代スポーツカーへの再評価だ。
あの時代の車たちは、排ガス規制が今ほど厳しくなく、かといって無茶な設計でもない。テクノロジーとアナログ感が絶妙にバランスしていて、“走る楽しさ”をリアルに感じられる存在だった。大人になった当時の若者、そしてその世代に憧れを抱くZ世代の若者。ターゲットが2層に広がっているのもポイントだ。
また、現代の車が「優等生すぎる」と感じる人が増えていることも関係している。
加速はスムーズで、乗り心地も快適、燃費も申し分なし。でも、どこか“尖ってない”と感じるドライバーは少なくない。そこに、90年代生まれのスポーツカーたちが「走ることの面白さ」を改めて思い出させてくれる。言ってみれば、“ちょっと不便なほうが愛せる”という感覚だ。
だからこそ、ホンダがプレリュードを2025年に復活させるというニュースは、ただの話題では終わらない。
それは、この“懐かしいのに新しい”という流れに、本気で乗ってきた証拠だ。そして他の復活車とは少し違う立ち位置にいるのもプレリュードの面白いところ。その話は、次章でじっくり語っていこう。
第2章:プレリュードとは何者だったのか?再評価される名車の系譜
プレリュード。この名前にピンとくる人は、きっと車好きの中でも“通”だ。シビックやインテグラ、NSXと比べて派手さは少ないかもしれない。でも、静かに、そして確実にホンダの歴史に名を刻んできた存在だ。
プレリュードは、1978年に誕生し、2001年に5代目をもって生産終了となった。5代、実に23年間の歴史の中で、プレリュードは常に“時代のちょっと先を走るクルマ”だった。
VTECと4WS、“らしさ”を語るキーワード
プレリュードを語る上で外せないキーワードがいくつかある。まず、ホンダのお家芸「VTEC」。可変バルブタイミング機構がもたらす高回転域でのパワーの伸びは、多くのドライバーを虜にした。
そしてもうひとつ、特筆すべきは「4WS(4輪操舵)」だ。80年代末〜90年代初頭にかけて、前輪だけでなく後輪もステアリングに応じて動くこのメカニズムは、コーナリング性能を飛躍的に向上させた。普通の市販車でこれを採用していたのは、当時としてはかなり先進的だった。
こうした技術は、今のスポーツカーで当たり前になっている“電子制御によるドライビングアシスト”の先駆けとも言える。つまり、プレリュードは「ただ速い」だけの車ではなく、“賢く、気持ちよく走れる”クルマを目指していたのだ。
プレリュード=スタイリッシュクーペの代名詞
また、プレリュードといえば、そのシルエットの美しさも特徴だった。
長いボンネットに、低く流れるようなルーフライン。そしてホンダらしい直線的でクリーンなデザイン。時代によってフロントマスクは変化したが、どの世代にも共通していたのは「大人のスポーツクーペ」という品の良さだ。
特に4代目(1991〜1996年)は今もファンが多く、「一番プレリュードらしい」と語る人もいる。軽快な走りと相まって、当時は“走れるデートカー”なんて愛称もあったほどだ。
プレリュードが再評価される理由
そして今、そのプレリュードが再び注目を浴びている。理由は明白だ。
シンプルで個性があり、なおかつ走って楽しい。現代のスポーツカーが「性能」で語られることが多い中、プレリュードは“感性”に訴えるクルマだった。その独自性が、再び評価されているのだ。
一部の中古市場では、過去モデルのプレリュードがじわじわと値を上げている。特に程度の良い5代目はすでにプレミア化しており、当時は見向きもされなかったグレードにさえ注目が集まっている。
この流れが、ホンダの「プレリュード復活」という決断を後押ししたのかもしれない。
第3章:2025年版プレリュード、ここが知りたい発売時期と注目ポイント
ホンダが「プレリュード」の名前を復活させる――そんなニュースが飛び込んできたのは、2023年のジャパンモビリティショーだった。静かにステージに現れたコンセプトカーは、かつての面影をどこかに残しながらも、はっきりと“次の時代”を感じさせるデザインだった。
しかし多くのファンが思ったはずだ。「で、いつ出るの?」と。
発売時期は2025年中と予測されるが…
現在、公式に発表されているのは「市販化に向けて開発中」というコメントのみ。明確な発売日や詳細なスペックは伏せられている。ただし、信頼性の高い海外メディアや業界筋からの情報を総合すると、「2025年中の発売」はかなり濃厚だと見られている。
このタイミングは、ホンダが掲げている“カーボンニュートラル戦略”にも合致する。
ハイブリッドを経由し、将来的にはEVへとステップアップしていく流れの中で、プレリュードのような“エモーショナルなクーペ”を投入することは、イメージ戦略としても意味がある。
また、日本市場より先に欧州や北米で発表される可能性もあり、グローバル戦略の中での位置づけも注目ポイントとなっている。
コンセプトモデルはほぼ完成形?量産車とのギャップはあるか
2023年のコンセプトカーは、あまりにも完成度が高すぎた。シャープなLEDヘッドライトに、空力を意識した滑らかなボディライン。インテリアは未公開ながら、すでに量産仕様に近いという噂もある。
SNSでも「これがそのまま市販されたら即買い」というコメントが続出し、ファンの期待値は高まるばかりだ。
ただし、量産車になる段階でいくつかの変更は避けられないだろう。バンパー形状やドアミラーのサイズ、安全基準に対応するためのライト類の仕様変更など、見た目の印象を左右する要素が微調整される可能性は高い。
それでも、全体の“シルエット”がこのままキープされるなら、過去の復活モデルの中でもトップクラスの完成度になるだろう。
市場の反応と予約開始のタイミング予測
プレリュード復活のニュースが出て以降、中古車市場では過去モデルの相場が急上昇した。これは“新型への期待感”が生み出す現象であり、同時に「どうせ買うなら今のうちに旧型も…」という心理が働いている証拠だ。
ホンダはこの反応を見逃さないはずだ。
これまでの傾向から見ても、発売の約3〜6ヶ月前に予約受付がスタートする可能性が高い。となれば、遅くとも2025年の春〜夏には正式なティーザーや発表会が開催され、年末までには市場投入されるというシナリオも現実味を帯びてくる。
そして何より、プレリュードという車の“復活”は、ただ新しいモデルが出るという話ではない。
それは、ホンダが「スポーツカーの未来」をどう描いているかを示す、象徴的な一手でもあるのだ。
第4章:デザインに詰め込まれたノスタルジーと未来感の融合
2025年プレリュードの姿を初めて目にしたとき、多くの人が思った。「懐かしいけど、新しい」と。
これは狙ってできることではない。過去に寄せすぎれば古臭くなり、未来感を前面に出しすぎれば“誰だお前”状態になる。その絶妙なバランス感覚こそが、プレリュード復活の鍵を握っている。
プレリュードらしさは残っているか?シルエットに宿る記憶
まず注目したいのは、あの「ロングノーズ・ショートデッキ」の黄金比。
かつてのプレリュードを知る人なら、一目でピンとくるはずだ。コンパクトで低く、水平基調のデザイン。その流れるようなフォルムは、今のSUV全盛の時代には逆に新鮮で、まるでタイムスリップしたかのような感覚に陥る。
しかもこれは、単なるノスタルジーだけではない。
低重心かつ空力効率を考慮したボディ形状は、ハイブリッドまたはEV車としての最適解でもある。つまり、“懐かしさ”は感情のためだけでなく、機能としても意味を持たせているのだ。
ヘッドライト、リア、ホイール——細部に宿る意思
ヘッドライトの造形は、まさにプレリュードの“現在地”を象徴している。スリムでシャープ、しかしどこか有機的。初代〜3代目にあったポップアップライトとは真逆のアプローチながら、「これはプレリュードの進化形だ」と感じさせる説得力がある。
リア周りの造形も見逃せない。
歴代プレリュードのアイデンティティであった「水平テールランプ」的な要素が、LEDラインで再構築されている。横一線に光るリアランプは、過去モデルを知る者には“あの頃”を、知らない若い世代には“先進的”な印象を与える。
ホイールデザインも、単なるドレスアップではなく「走り」を意識した5本スポーク。やりすぎてないところがホンダらしい。
内装はまだ見えない——でも、想像はできる
2023年に公開されたコンセプトカーでは、残念ながらインテリアの詳細は明かされなかった。しかし、“あの外装”を見た後で、我々にはある程度の想像ができる。
きっと、シンプルで機能的。そしてドライバーとの一体感を重視したコックピットになるだろう。派手な加飾よりも「触って気持ちいい」素材感、アナログとデジタルのちょうどいいミックス。そんな、プレリュードらしい世界観が広がっているはずだ。
“映え”では終わらせない、ストーリーのあるスタイル
今の時代、カッコよければSNSでバズる。でも、プレリュードのデザインは一過性の“映え”を超えている。
それは「過去を知る者」と「今を生きる者」の両方に向けて語りかけてくるスタイルだ。思い出の続きを見るような懐かしさと、新しい未来を走り出すワクワク感。その両方を、たった一台で表現しているのだから、これはもうデザインというより“メッセージ”に近い。
第5章:スペック情報はここまで来た!走り・燃費・安全性能の噂まとめ
「見た目はいい。でも中身は?」——車好きにとって、それは本質的な問いだ。
プレリュードの復活を心から歓迎しながらも、多くの人が気になっているのは“走り”の部分。いくら美しいシルエットでも、中身が伴っていなければ「なんちゃって復活」で終わってしまう。では、2025年プレリュードのスペックはどうなっているのか? 今出ている情報と噂をもとに、リアルな期待値を探ってみよう。
パワートレインはハイブリッドで確定? それともEV?
まず、ほぼ確定路線として語られているのが「ハイブリッドモデルとしての登場」だ。ホンダが掲げるカーボンニュートラルの方針に則る形で、今回のプレリュードも電動化技術を前提に設計されている。
現時点で「e:HEV」採用の可能性が高く、これはシビックやアコードに搭載されている2モーターハイブリッドシステムだと見られている。
EVモデルではなく、ハイブリッドという点に「やっぱり走りを捨てていないな」と感じるファンも多い。電気のトルクとエンジンの鼓動感、その両方を融合させることで“走って楽しい”を成立させる狙いが見えてくる。
また、将来的にはプレリュードEVの可能性もあるが、それは次のフェーズ。まずは「走りの原点回帰」として、ハイブリッドで登場するのが現実的だろう。
走りの進化:シャーシ、足回り、重量バランスの妙
プレリュードは、単に直線で速いだけのクルマではなかった。コーナリングの気持ちよさ、クイックなハンドリング、まるで自分の体の延長のようなフィーリング。それこそが“プレリュードらしさ”だった。
2025年モデルでは、ホンダが最新世代のプラットフォームを用いることが予想されている。これは現行のシビックやアコードにも採用されている「グローバル軽量プラットフォーム」で、剛性と軽量化の両立が特徴だ。
これに加えて、重心の低いクーペボディとの組み合わせは、「走りの気持ちよさ」を限界まで引き出すポテンシャルを秘めている。もしかすると、かつての“4WS”のような独自機構が復活する可能性もゼロではない。
燃費と静粛性:スポーツカーの“我慢ポイント”を超えるか?
一昔前のスポーツカーは、燃費が悪くてもうるさくて、それでも「楽しいからいいじゃん」で許されていた。でも今は違う。
Z世代をはじめとした若いユーザーは、走りと快適性の“両立”を求めている。つまり、「気持ちいいけど疲れない」「速いけどエコ」みたいな、ちょっと欲張りなスペックがスタンダードになっているのだ。
ホンダのe:HEVシステムは、エンジンを発電に使いながらモーターで駆動する方式が特徴。そのため、一般的な走行シーンでは非常に静かで滑らか。必要な時だけエンジンが加勢するという賢い仕組みになっている。
そのおかげで、WLTCモードで20km/L前後の燃費も現実的に期待できるだろう。つまり、“走る喜び”と“日常性”を両立させるスペックになりそうだ。
安全性能:スポーツカーでも妥協なし
スポーツカーに乗るとき、多くの人が「楽しさ」に目を向ける。でも今の時代、それだけでは足りない。家族を乗せるかもしれない、長距離を走るかもしれない。だからこそ、安全性能も重要な要素になる。
ホンダはすでに「Honda SENSING」をほぼ全モデルに標準装備しており、プレリュードも例外ではないだろう。自動ブレーキ、レーンキープ、アダプティブクルーズなど、現代に求められるアシスト機能はしっかり網羅されるはずだ。
つまり、プレリュードは「攻めの走り」だけでなく、「守りの安心感」も手に入れたモデルとして登場する可能性が高い。
これは、かつてのプレリュードが“時代の一歩先”を行っていたように、2025年版もまた「次の基準」を示してくれることを意味している。
第6章:“タイプR世代”だけじゃない、若い世代も惹かれる理由とは?
プレリュード復活のニュースを聞いて、最初にざわついたのは40代〜50代のクルマ好きだった。
「高校の時に憧れてた」「あれが最初のマイカーだった」——そんな声がSNSや掲示板を賑わせたのは記憶に新しい。でも、ちょっと驚いたのは、それだけじゃなかったってこと。
実は、Z世代やミレニアル世代といった、プレリュードをリアルタイムで知らない若い層からも“めっちゃカッコいい”“これ乗りたい!”という声が続出しているのだ。
これは、ただの「旧車リバイバル」では終わらない予感がしてきた。
Z世代が惹かれる“レトロ×新しさ”の絶妙バランス
若い世代は今、“レトロ感”に敏感だ。レコード、フィルムカメラ、フリップ式の携帯電話──そして90年代のスポーツカー。
この世代にとってそれは懐かしさではなく、“エモい”“映える”という新しい価値として映る。そこに、プレリュードのデザインはばっちりハマった。
しかも、昔の車をそのまま買うのではなく、「現代の技術と快適性を備えた上で、レトロなエッセンスがある」というのがちょうどいい。まさに、プレリュード2025はそのニーズを見事にすくい上げている。
デザインの話だけではない。走りも含めて、“無骨すぎず、でもユルくない”。
これが今の若いドライバーにとって「ちょうどいい」バランスなのだ。
SNS映えするだけじゃない、ライフスタイルへのフィット感
たとえば、今どきのユーザーは「サーキットでタイムを削るための車」を欲しているわけじゃない。
むしろ、週末にちょっと郊外へドライブして、帰りにカフェに寄って、ついでに写真を撮って投稿——そんな日常の中に“ドラマ”を作れる車を探している。
プレリュードはまさに、そうした“ライフスタイルに馴染むスポーツカー”としての立ち位置が絶妙だ。
派手すぎず、でも普通じゃない。運転して楽しいけど、疲れすぎない。何より、駐車場に停まっているだけで“語れる何か”がある。
そして、それが自己表現のツールになる時代において、プレリュードという選択肢はかなり強い。
“買えるスポーツカー”という価値
ここも重要なポイントだ。
タイプRやZ、スープラといった名だたるスポーツカーは、もはや400万円〜500万円超が当たり前。となると、若い世代にとっては「憧れはするけど、現実的に無理」な存在になってしまう。
その点、プレリュードはおそらく価格帯も現実的なところに収まると見られている。
400万円以下、もしくは300万円台後半に設定されれば、月々のローンで手が届く“リアルな夢の車”になる。これって実は、すごく大きなアドバンテージだ。
若者が“ホンダに戻ってくる”きっかけになるかもしれない
この数年、ホンダ車はやや“オジサン向け”のイメージが強かったかもしれない。
でも、プレリュードはその空気をガラッと変えるポテンシャルを持っている。
「ホンダって、やっぱり走りの会社だったんだな」
「こんなカッコいいの、ホンダが出すんだ!」
——そんな風に思わせる1台になる可能性が、今のプレリュードには詰まっている。
つまり、2025年のプレリュードは“過去の名車の復活”ではなく、“未来の車好きを育てる”モデルなのかもしれない。
第7章:ホンダはなぜ今プレリュードを復活させたのか?その戦略を読む
2025年のプレリュード復活。それは単なる名車の再販でも、ファン向けのノスタルジー商法でもない。
これは、ホンダという企業が“次のステージ”へ踏み出すための、明確なメッセージだ。
でもなぜ、いまこのタイミングで“プレリュード”だったのだろう?
シビックじゃダメだった理由、NSXじゃ届かない場所
ホンダにはすでに、走りの象徴である「シビックタイプR」がある。
さらにはフラッグシップの「NSX」だって記憶に新しい。
では、なぜ“プレリュード”を出す必要があったのか?
答えは、その“間”にある。
シビックはストイックすぎる。NSXは遠すぎる。
そのどちらでもない、“ちょうどいいスポーツクーペ”というジャンルが、今のホンダには存在しなかった。
そこにプレリュードという“感性に刺さる選択肢”を再配置することは、商品戦略としても極めて理にかなっている。
プレリュードは、走りたいけどガチガチのスポーツカーには抵抗がある人たちに向けた、ホンダからの「もうひとつの答え」なのだ。
クルマ離れ世代に向けた、“共感”を生むストーリーブランド
若者のクルマ離れ——そう言われて久しい。でも、それは本当に“車そのもの”が嫌われているのだろうか?
むしろ、「所有する意味が見いだせない」「共感できるモデルがない」と感じている人が多いのではないか。
プレリュードは、そこに“ストーリー”を提供する車だ。
昭和〜平成の車文化の象徴だったプレリュードが、令和のテクノロジーを身にまとって帰ってくる。
この文脈があるからこそ、「なんかいいな」「理由は説明できないけど惹かれる」という共感が生まれる。
それは、スペックや価格では語れない価値だ。
プレリュード復活=ホンダのリブランディング宣言
ホンダはこの数年、EVや自動運転、モビリティ領域などの最先端技術に力を入れている。その一方で、ユーザーとの距離感が少し開いていた印象もある。
そんな中でプレリュードの復活は、「俺たちはまだ“走りのホンダ”だ」と再宣言するためのカードなのだ。
それはマーケティング的な意味でも、ブランドイメージの再構築という意味でも、極めて重要な一手と言える。
しかも、それを「過去の名車を出す」というわかりやすく、かつ感情に訴える方法でやってのけた。
このアプローチが、実にホンダらしい。理屈よりも“フィーリング”。数字よりも“共鳴”。まさに、プレリュードという名前がふさわしい役割を担っている。
プレリュードが開く、次のホンダの“はじまりの歌”
ちなみに「Prelude(プレリュード)」という言葉は、もともと“前奏曲”を意味する。
つまり、物語の“はじまり”を告げる音楽だ。
かつてホンダは、プレリュードで“新しい時代のスポーツカー”を切り拓いた。
そして今、再びこの名前を使うということは——これは単なる過去へのリスペクトではない。これからホンダが描く未来、その序章にすぎないということだ。
2025年、プレリュードは再び道を走り出す。
それは、走る者すべてにとっての“新しい前奏曲”になるはずだ。