新型エルグランド 15年ぶりのフルモデルチェンジ

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日産新型エルグランド登場へ!15年ぶりのフルモデルチェンジがついに始動

日産の高級ミニバン「エルグランド」が、ついに15年ぶりとなるフルモデルチェンジを迎えます。次期モデルは2026年に発売予定で、日産独自の第3世代e-POWERを搭載することが明らかになりました。現行モデルの登場が2010年だったことを考えると、実に長い沈黙を破る大刷新です。

新型エルグランドは、トヨタの「アルファード/ヴェルファイア」といった高級ミニバン市場の王者に再び挑む存在として、日産のフラッグシップモデルに位置付けられています。この記事では、エルグランドがなぜ今フルモデルチェンジに踏み切るのか、その背景と開発意図を詳しく見ていきましょう。

なぜ今、エルグランドがフルモデルチェンジされるのか?

エルグランドは1997年に初代が登場し、「高級感」「静粛性」「走りの安定性」で人気を博しました。特に初代と2代目は「国産ミニバンの最高峰」として確固たる地位を築きました。しかし、2010年に登場した現行の3代目モデルは、ライバルであるアルファードやヴェルファイアの進化に押され、販売面で苦戦が続いていました。

さらに、クルマ市場全体が電動化・安全技術・コネクテッド機能へとシフトする中で、エルグランドの技術基盤は徐々に時代遅れとなっていました。こうした背景から、日産はブランド再構築の一環として、フラッグシップミニバンの刷新を決断したのです。

現行モデルの課題とユーザーの声

長年にわたり大きな改良が行われなかったエルグランドは、内外装デザインや燃費性能で他社に差をつけられていました。特にユーザーからは以下のような意見が目立ちました。

  • 「内装が古く感じる」
  • 「燃費が悪い」
  • 「安全装備が他社より遅れている」

その一方で、「走行安定性」や「乗り心地」については依然として高い評価を受けており、日産の走りの哲学が根強く支持されていることも事実です。新型ではこの強みを活かしつつ、電動化技術を融合させる方向で開発が進められています。

ブランド再構築の象徴としての新型エルグランド

日産は近年、「アリア」や「セレナe-POWER」など、電動化を軸にしたラインアップを拡大しています。新型エルグランドも同じくe-POWER搭載が予定されており、日産の電動化戦略を象徴する存在になると見られます。

また、デザイン面では「VMotion」フロントグリルを採用し、よりモダンで迫力あるスタイルへ進化。内装は「オムニリラックス・キャビン」と呼ばれる新設計が採用され、ラグジュアリーと快適性を両立する設計になると報じられています。

再び“高級ミニバンの王者”へ返り咲けるか?

新型エルグランドのフルモデルチェンジは、日産にとって単なるモデル更新ではなく、「ブランド信頼の再構築」という意味を持ちます。長年のファンにとっては待望のニュースであり、またミニバン市場における勢力図を変える可能性も秘めています。

2026年の発売が予定される新型モデルは、技術・デザイン・安全性のすべてを一新する「完全新型」として登場します。これまでの15年を超える沈黙は、次なる革新への助走期間だったのかもしれません。

次章では、新型エルグランドの技術的特徴と進化ポイント(第3世代e-POWERや新デザインなど)を詳しく解説します。

第3世代e-POWER搭載!新型エルグランドの技術とデザインが革新へ

2026年に登場予定の日産新型エルグランドは、フルモデルチェンジにより技術面でも大きな進化を遂げます。最大の注目点は、日産が誇る第3世代e-POWERシステムの採用です。これにより、従来のガソリンモデルから大きく変わる走行フィールと燃費性能が実現されると予想されています。

第3世代e-POWERがもたらす進化

日産のe-POWERは、ガソリンエンジンで発電しモーターで走るシリーズ式ハイブリッドシステムです。新型エルグランドには、「アリア」や「セレナe-POWER」で培った第3世代システムが搭載される見込みで、従来よりも高出力・高効率なモーターを採用。静粛性や加速性能の向上が期待されています。

  • モーター出力:200PS超を想定
  • 燃費性能:約18〜20km/L(予想値)
  • 駆動方式:FFおよびe-4ORCE(4WD)を設定予定

特に注目なのは、電動4WDシステム「e-4ORCE」の搭載です。これはアリアなどのEVで実績のある制御技術で、前後のモーター出力を緻密に制御し、滑りやすい路面でも安定した走行を実現します。大型ミニバンに求められる「静かで力強い走り」を両立させる技術として期待されています。

プラットフォームとボディサイズの刷新

新型エルグランドは、新開発のCMFプラットフォームを採用すると見られます。これにより、車体剛性の向上と軽量化が両立し、乗り心地・静粛性が大幅に改善されます。サイズは現行モデルよりわずかに拡大し、3列シートでゆとりある室内空間を確保する構造となるでしょう。

項目現行モデル新型(予想)
全長4,975mm約5,050mm
全幅1,850mm約1,890mm
全高1,815mm約1,830mm
ホイールベース2,950mm約3,000mm

ボディの大型化により、後席・ラゲッジスペースの快適性が向上。特に2列目キャプテンシートには新機構のオットマン&リクライニングシートが採用される可能性が高く、アルファードに匹敵するラグジュアリー空間を目指しているようです。

デザインは「VMotion3.0」コンセプトへ進化

外観デザインは、日産の最新デザイン言語である「VMotion3.0」を採用。大型グリルとスリムなLEDヘッドライトを組み合わせ、堂々としたフロントフェイスに進化します。サイドは滑らかなキャラクターラインが流れ、リアには水平基調のLEDテールランプを装備。高級感と先進性を両立した印象です。

また、内装では「オムニリラックスキャビン」という新コンセプトが導入される見込み。上質な本革シート、ウッド調パネル、アンビエントライトが採用され、まるでホテルラウンジのような空間を演出します。12.3インチの大型ディスプレイや最新ナビシステムも搭載される見通しです。

静粛性・乗り心地の大幅改善

新型エルグランドでは、e-POWERのモーター走行によりエンジン音のほぼない静粛性を実現。加えて、遮音ガラスや高性能防振材が採用され、室内ノイズを約30%低減(現行比)すると予測されています。これにより、移動そのものが快適で上質な時間へと変わります。

さらに、足回りには新開発の電子制御サスペンションを導入。車体の揺れを抑えながらもソフトな乗り心地を実現し、長距離移動でも疲れにくい「プレミアムツアラー」としての完成度を高めています。

先進安全技術「ProPILOT 2.5」も搭載か

安全装備では、日産の最新運転支援技術「ProPILOT 2.5」の搭載が期待されています。これは高速道路でのハンズオフ運転をサポートするシステムで、車線変更支援や前車追従機能を統合。家族の長距離ドライブにおいて大きな安心感を提供します。

これらの技術革新により、新型エルグランドは単なる高級ミニバンではなく、「電動ラグジュアリーツアラー」という新しいジャンルを切り拓く存在になると予想されます。

次章では、トヨタ・アルファードなどの競合車種と比較しながら、新型エルグランドの強みと課題を分析します。
アルファード超えなるか?日産新型エルグランドの市場戦略と競合比較

日産新型エルグランドのフルモデルチェンジは、単なるモデル更新ではありません。2026年の登場は、長年トップシェアを誇るトヨタ・アルファード/ヴェルファイアへの本格的な“逆襲”を意味します。ここでは、競合モデルとの違いと、日産が描く市場戦略を詳しく見ていきます。

高級ミニバン市場の構図:トヨタが独占する牙城

2024年現在、日本国内の高級ミニバン市場はトヨタ・アルファードとヴェルファイアが圧倒的なシェアを持ちます。新型アルファードは登場からわずか1年で年間販売台数が10万台を突破し、納期は最大1年以上待ちという人気ぶり。一方、エルグランドの販売台数はピーク時の10分の1以下にまで減少しており、ブランド再建が急務となっていました。

しかし、日産はここに「静粛性×走行性能×電動化」という新たな価値軸を打ち出します。アルファードが「快適な移動空間」を追求するのに対し、エルグランドは「走る歓びと上質さの融合」を目指して開発が進められています。

アルファード/ヴェルファイアとの比較表

項目新型エルグランド(予想)トヨタ アルファード
駆動方式e-POWER FF/e-4ORCE 4WDハイブリッド FF/E-Four
エンジン1.5L+モーター(第3世代)2.5L+モーター
燃費性能約18〜20km/L(予想)約17.5km/L
価格帯500万〜700万円台(予想)540万〜850万円
静粛性モーター走行で極めて静かハイブリッド制御による静音
安全装備ProPILOT 2.5(予定)Toyota Safety Sense
ブランドイメージ走りと高級感の融合圧倒的なステータス性

こうして比較すると、日産エルグランドは「価格バランスと電動4WD技術」で優位に立つ可能性があります。特にe-POWER+e-4ORCEの組み合わせは、雪道や高速走行時の安定性において大きな武器になるでしょう。

ターゲット層は“静かで上質な走り”を求める層

新型エルグランドが狙うのは、従来のファミリーユーザーだけではありません。日産は今回のモデルを「プレミアム・ツアラー」として再定義しており、主なターゲットは以下のような層です。

  • 快適で静かな移動空間を求める経営者層・送迎用途
  • 高級感と走行性能を両立させたいファミリーユーザー
  • アルファード一辺倒の現状に飽きた上級志向ユーザー

特に電動4WDの「e-4ORCE」搭載モデルは、雪国や山間部のユーザーからの支持が期待されます。モーター駆動によるトルク配分制御は、従来のガソリン4WDよりもスムーズで安定感が高く、悪路走破性にも優れています。

日産の戦略:「ブランド再生」と「プレミアム再挑戦」

日産は新型エルグランドの投入を、単なる車種刷新ではなくブランド再生の象徴と位置づけています。長らくセレナやノートe-POWERなど“実用モデル中心”のラインアップでしたが、今後はアリアと並ぶ高級セグメントを強化する方向へ舵を切りました。

販売戦略としては、国内だけでなく中国・中東市場にも投入する可能性があります。特に中東では初代・2代目エルグランドがVIP送迎車として高い人気を誇っており、日産グローバルの再起をかけた戦略モデルとなるでしょう。

アルファードとの差別化ポイントは「電動×走り」

アルファードが“静粛なラグジュアリー”を象徴するのに対し、エルグランドは“走って楽しいラグジュアリー”へと進化します。これが日産の描く「モーター駆動による高級体験」です。

電動化技術で培ったノウハウをミニバンに投入することで、加速時の滑らかさ、減速時の制御、車体バランスの安定性が飛躍的に向上。長距離でも疲れにくく、ドライバーに「走る楽しさ」を再び思い出させる1台になると期待されています。

まとめ:再び高級ミニバン市場の主役へ

15年の沈黙を経て登場する新型エルグランドは、単なる「復活」ではなく「再定義」です。アルファードが支配する市場で、走り・電動化・快適性を融合させた新しい高級ミニバンとして、確実に存在感を示すことでしょう。

次章では、新型エルグランドの課題と今後の展望について詳しく解説します。

日産新型エルグランドの課題と展望――高級ミニバンの未来を切り拓けるか?

15年ぶりのフルモデルチェンジを果たす日産新型エルグランド。その登場は、多くのファンや業界関係者から大きな注目を集めています。しかし同時に、この挑戦は日産にとって容易な道ではありません。ここでは、新型エルグランドが直面する課題と、今後の展望を整理していきます。

課題①:ブランドイメージの再構築

長期間モデルチェンジが行われなかったことにより、エルグランドのブランド価値はかつてほどの存在感を失いました。トヨタ「アルファード」が“高級ミニバン=アルファード”という認識を確立してしまった今、日産が再びそのポジションを奪還するには、強力なマーケティング戦略が必要です。

日産は「走りのプレミアム」を武器に差別化を狙いますが、単に走行性能を訴求するだけでは不十分。上質な体験価値――つまり“移動そのものが感動となる空間”を提示することが求められています。

課題②:コストと価格バランス

第3世代e-POWERやe-4ORCEなどの高性能技術を搭載する一方で、コスト上昇は避けられません。もし価格が700万円台後半に達すれば、アルファード上位グレードとの競合が避けられず、消費者の判断基準が「ブランド力」に傾くリスクがあります。

そのため、日産は「高品質で適正価格」という絶妙なポジショニングを狙う必要があります。セレナとの価格差を適度に保ちつつ、アルファードに劣らぬ高級感を提供できるかが鍵です。

課題③:販売戦略と供給体制の強化

もうひとつの課題は、販売・供給体制です。トヨタは圧倒的なディーラーネットワークを持ち、全国で安定した販売とアフターサービスを提供しています。一方、日産は一部地域で販売網が縮小傾向にあり、フラッグシップモデルの販売には戦略的な再構築が求められます。

その対策として、日産は近年オンライン販売の拡大や、プレミアム専門店舗の導入を検討しており、顧客体験のデジタル化を推進しています。これが新型エルグランド販売成功のカギを握るでしょう。

展望:電動化時代の「走るラウンジ」へ

今後のミニバン市場では、電動化とコネクテッド技術の融合が主流になります。新型エルグランドはその潮流に完全対応し、「走るラウンジ」としてのポジションを築く可能性を秘めています。静粛で快適、そして先進的な空間を持つ大型ミニバンは、これからの時代に最も求められるファミリーカー像と言えるでしょう。

さらに、日産のEV「アリア」との技術連携により、将来的にはPHEVや完全EV化モデルも視野に入るとされています。2030年以降の排出規制強化を考慮すると、これは自然な流れと言えます。

総括:エルグランド復活は“日産再生”の象徴

日産にとって、新型エルグランドは単なる1車種ではありません。これは「日産ブランド再生の象徴」であり、かつての“高級ミニバンの王者”を取り戻すための象徴的な存在です。15年の空白期間を埋めるにふさわしい革新と情熱が、この新型に凝縮されています。

トヨタが築いた牙城を崩すことは簡単ではありません。しかし、日産には電動化技術の深い知見と走行哲学があります。それらを武器に、2026年のミニバン市場に新しい風を吹かせることは十分可能です。

次なる一歩:発売時期と今後の注目ポイント

新型エルグランドの正式発表は、2025年下半期と見られています。発売は2026年前半が有力で、今後数カ月のうちにティザーサイトや内装デザインが公開される見込みです。

次に注目すべきポイントは以下の通りです。

  • 正式なパワートレイン構成(e-POWER/e-4ORCE仕様)
  • 価格・グレード体系の詳細
  • 安全装備と自動運転レベルの進化
  • 海外展開の有無

これらの情報が出揃えば、新型エルグランドがどの方向へ舵を切るのかが明確になるでしょう。

まとめ:新型エルグランドは「未来の上質ミニバン」への第一歩

日産新型エルグランドは、単なるモデルチェンジではなく、日本のミニバン文化を再び世界に発信する挑戦です。長年愛されてきた“エルグランドらしさ”を継承しつつ、電動化・デザイン・安全性のすべてを刷新。新時代の高級ミニバンとして、確かな存在感を放つことでしょう。

2026年、日産の名を再びトップステージへ――。
その瞬間を楽しみに待ちたいところです。


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